50試合を終え、41勝9敗。82%の高勝率を誇る琉球ゴールデンキングスは、すでにウエスタンカンファレンス1位通過を決めている。平均観客動員数3,219人は群を抜いて国内トップ(いずれも4月20日現在)。ホームゲームの盛り上がりについては、好評発売中のバスケットボールスピリッツvol.2で紹介されているので、ぜひご一読を!そんな琉球が見据える先は、2年ぶりの王座奪還のみ。
昨シーズンもレギュラーシーズン1位通過したが、ホームで迎えたプレイオフ カンファレンスセミファイナルでよもやの敗退。プレイオフに棲む魔物と言うべきか、はたまた1位通過すると1週間空いてしまう日程がもたらす災いなのか…。
「あの期間にゲームの間隔が空くのは確かに恐い部分です。体をしっかり休めて万全な体制で臨める期間とも言えるし、同じ間隔で同じルーティーンで試合に臨んだ方が良いのかもしれない。なかなか難しい期間でもあります」
昨シーズンのプレイオフを振り返ってもらったのは、bjリーグファーストシーズンから活躍する小菅直人選手(2004JBL新潟〜2005bj新潟〜2010琉球)。
敗戦も優勝へ向けた糧に変える
9敗しかしていない琉球だが、3月1日にプレイオフ進出を決めて以降、1ヶ月余りの間に4敗を喫している。
「余裕のような部分は出さないようにと、プレイオフが決まった後もチームでは話していました。ケガ人が出てしまったこともあり、誰がその穴を埋めるかを考えながらプレイしていた状況でもあります。負けをネガティブに捉えずに、目の前の試合に勝つことだけを考え、負けた試合も優勝するための糧に変えて戦って行きたいです」
岸本隆一選手やアンソニー・マクヘンリー選手ら先発メンバーが、短期間ながら相次いで離脱。3月1日以降は12勝4敗、勝率75%は立派な数字であるが、強いイメージを植え付けられているだけに、1つの黒星にも驚かされてしまう。シーズンを通して見ると、寒冷地で苦戦を強いられており(青森、岩手、新潟にそれぞれ1敗)、そこはよく突っ込まれると苦笑い。そんな小菅選手自身は、新潟県出身である。
「人間とは恐いもので…慣れというのは本当に恐いですよ。沖縄の気候に慣れてしまうと、冬でも新潟の春先ほどの気温なのに、思わず『寒い』って言っちゃいますからね。笑」温暖な沖縄は「ケガをしにくい」と小菅選手も感じており、今シーズンもケガ無くこれまで全50試合に出場中だ。
プレイオフ進出を賭けたチームはもちろん、すでに逃しているチームも勝たねばならないと襲いかかってくるシーズン終盤は、それまでとは状況が異なることも考えられる。
「僕らが変わらずに試合に臨んでいても相手の方が気持ちで優り、それが結果として出てしまいました。新潟戦(4/5 琉球68-79新潟)も、大分戦(3/30 琉球69-81大分)もそうです。それはケガ人がいるとかいないという問題以前に気持ちの部分で負けてしまったわけです。もちろんそれが全てでは無いですが、プレイオフを勝ち抜くためにもメンタルは大事。これまでの敗戦を良い経験としてプレイオフを迎えるのか、またはダメな部分を出してしまうのかは自分たち次第です」
同じことがプレイオフでも待っている。ファーストラウンドを勝ち抜き、勢いに乗るチームを待ち構える琉球だが、「それでも僕らにはホームコートアドバンテージがあるので負けられません。ましてやホームでブースターに負け試合をお見せするわけにはいかないので、しっかり勝ちきりたいです」と語気を強めた。