このオールスターを以て、B3は10シーズンの歴史に幕を閉じた。この舞台で長く戦ってきた1人として、山口にはリーグに対する想いも強いものがあるはずだ。もちろん、上位カテゴリーに進むことが最もわかりやすいステップアップの道であり、それはクラブとしても選手個人としても目指して然るべきものだが、だからといって、B3に身を置き続けることがステップアップしていないことを意味するものではない。B3の中でも大きく進化できることは、プレーオフ初進出を果たした昨シーズンのパッツファイブが証明し、山口自身も成長できた実感を強く持っている。

「B3があったから、自分は選手としても人間性の部分も成長していけたと思うので、B3でプレーできて本当に良かったなって思ってます。B1・B2・B3とある中で、B1からB3に来る選手もいれば、B3しか経験してない選手もいましたけど、自分はB3リーグがあったことでチームに入ることができてプレーしてこれたので、夢を追い続けてきて良かったと思うし、B3のおかげだと思えますね。これからも個人的にもっとレベルアップして、個人としてもチームとしても上のレベルに行ければいいなと思ってます」
今シーズンB1の頂点に立った長崎ヴェルカは、パッツファイブと同じ2021-22シーズンにB3に参入したクラブ。また、Bリーグ発足時にB2所属だった岩手ビッグブルズや横浜エクセレンス、鹿児島レブナイズもB3でパッツファイブの前に立ちはだかり、B2に戻っていったクラブだ。これらのクラブと対戦した際は地力の差を見せつけられたこともあったものの、山口はそれを学びに変えることで成長できた。ある意味、B2・B1への登竜門であるB3だからこそ、成長の機会が与えられたのだ。
「ディフェンスのプレッシャーとか、5人でやるチームプレーとか、一つひとつのプレーの質が全然違ったイメージが今でも頭に残ってます。上位チームはやっぱり違うんだなというのは当時も感じましたし、毎回毎回相手から吸収してきたつもりです」
クラブのB3参入当初から在籍している山口にとって、パッツファイブは自身のキャリアで最も在籍年数の長いクラブであり、レギュラーシーズンが終わってすぐに契約継続も発表された。B.革新初年度の来シーズンはB.NEXTに舞台を移すが、最下層カテゴリーで戦うのはこれまでと変わらず、山口が向上心を強く持って成長し続けていくことも変わらない。

「人との出会いが増えて、応援してくれる人たちのありがたみをより感じることができたというのは、山口に来てすごく思います。他のチームでも応援してくれる人はたくさんいましたけど、特に山口県は多い印象があるので、その人たちを大切にしながら、チーム全体で勝って上に行って、ファン・ブースターのみんなと一緒に頑張りたいという気持ちが強いです。来シーズン、B.NEXTからのスタートにはなりますけど、求められてるプレーも自分ができるプレーも今までと変わらないと思うので、これからも一生懸命頑張ります」
文・写真 吉川哲彦











