リーグNo.1のリバウンド力を誇る琉球ゴールデンキングス
東アジアスーパーリーグ(以下EASL)に出場中の琉球ゴールデンキングス。国境を越え、台湾のニュータイペイ・キングスとのアウェーゲームを経て、横浜ビー・コルセアーズのホームに乗り込んできた。3年連続出場する経験豊富な琉球は、EASL後のBリーグ レギュラーシーズンにおいて、まだ1敗しかしていない。その要因について、「EASLを楽しみ、Bリーグに戻ってもう一度士気を高める。脳をどう心地良くさせるかが重要」と桶谷大ヘッドコーチは選手たちのマインドを切り替えさせていた。対戦相手にしてみれば、ボールにアジャストし直さなければならず、少なからず疲弊する西の強豪に一矢報いるチャンスでもあった。横浜BCとの初戦は、76-60で琉球が勝ち切った。
「なかなか波長が合わず、少しフラストレーションの溜まる前半になった。でも、後半はもう1回みんなでクリアマインドして、どこで攻めるかを共通認識しながらできた」と桶谷ヘッドコーチは述べ、60点に抑えたディフェンス力で上回る。「完璧な試合運びではなかったが、締めるところ締めながら今日はできていた」と続け、タフなスケジュールのアウェーゲームを勝利で乗り切った。
平均45.4本、リーグNo.1のリバウンド力を誇る琉球であり、その差がそのまま結果に現れる。横浜BCのラッシ・トゥオビヘッドコーチは第1戦を終え、「オフェンスリバウンドが強いチームであり、17本を取られた。リバウンドを取られすぎると勝てる試合も勝てない」と悔しさを呑み込む。琉球のオフェンスリバウンド17本のうち、半分以上の10本は前半に記録された。35-24、横浜BCは9点差で凌いで後半へ向かう。しかし、さらに点差が開いた原因をトゥオビヘッドコーチはこう言及する。
「正直に言えば、自分たちのシュートが入らなかった時間も今日は多かった。しかし、その理由は琉球のフィジカルの強さがもちろんある。リバウンドの数字どうこうではなく、自分たちが目指すバスケにフォーカスすることが大事である。フィジカル強くバスケをする琉球に対して、パワーバスケットボールで対抗しても、そこは自分たちの弱点のひとつでもあり、対応できない。持ち味のスピードやボールムーブメントを生かして、自分たちのバスケで攻めなければ勝てない」
琉球に対し、リバウンドやインサイドで身体を張って対抗していたのがマイク・コッツァーだ。9本のリバウンドを記録したが、「もっと取れたと思う。琉球戦に向け、しっかりとボックスアウトをして相手にリバウンドを取らせないように練習してきた。自分が取れたと思っていたリバウンドも、相手にオフェンスリバウンドを取られてしまった。自分がもっとアグレッシブにプレーし、取れるリバウンドを確実に取って、チームで相手の勢いを止めたいと考えていた」と反省を生かし、翌日の2戦目を迎えた。
横浜BCのダミアン・イングリスが第1戦の途中、自ら手で×を作ってコートを去り、第2戦は欠場。ゲイリー・クラークは45分16秒出場し、27点・11リバウンド。コッツァーは48分12秒間コートに立ち続け、17点・12リバウンドとアグレッシブさを貫いた。40分では決着がつかず、5分の延長が2度も続いた。しかし、ラスト5分は16-2と琉球が圧倒し、103-89で50分間の戦いに終止符が打たれる。「厳しい試合の中、誰もが一生懸命がんばった。残念ながら勝利することができなかったが、みんなで戦ったことを誇りに思う」とコッツァーはコメントを残し、自信と悔しさを糧に後半戦に巻き返すための原動力にしなければならない。