B2昇格を逃し、気持ちが追いつかない3位決定戦はホームの横浜エクセレンスが勝利
B3リーグは上位8チームによる初のプレーオフを行い、優勝した岩手ビッグブルズと準優勝のベルテックス静岡がB2昇格を決めた。準決勝で敗れて昇格の目標が潰え、心身ともに疲弊する2チームによる3位決定戦。さいたまブロンコスの泉秀岳ヘッドコーチは、「準決勝が終わってから丸々1週間空いたので、選手たちに休みを与えた。その後の練習もなかなか集中し切れないところもあったが、それでも選手たち自身が最後までがんばるとこの試合に臨んでくれた」と難しい状況を明かす。
対する横浜エクセレンスの石田剛規ヘッドコーチも同様である。迎えた3位決定戦で、さいたまに先手を取られた試合後、「泣いている子供や怒って帰るファンもおり、昇格に関係ない試合とはいえ、大事なプレーオフの一戦になることは見る方にとってみたら変わりない」と石田ヘッドコーチは気づかされ、選手たちをもう一度奮起させる。
「今シーズン僕たちが良いバスケをして、それだけ魅了させることができたからこそ起きた感情である。今シーズン応援をしてくれたファンのためにも強く戦わなくてはいけない。プライドを持って戦おう」
レギュラーシーズン2位のさいたまにとっては、昨シーズンと同じレギュレーションであれば自動昇格できた。8チームで争う新たな試みに挑み、セミファイナル第3戦はたった6点及ばなかった。泉ヘッドコーチはこの結果を真摯に受け止め、こう語る。
「初戦の(トライフープ)岡山にはしっかり対策され、本当に難しい試合だった。セミファイナルの静岡戦は昇格ギリギリまで追い詰めたが、やっぱり勝てなかった。クラブとして、悔しさの積み重ねが足りないと感じた。新体制になって2年しか経っていない僕らにはまだ早い、もう1年B3リーグで努力しろと言われたような感じがした」
プロアマ混在のB3リーグゆえに、昇格だけがすべてではない。B2ライセンスがないチームが勝ち上がった場合の順位決定であるとともに、ひとつでも順位を上げるための名誉対決として3位決定戦が用意された。しかし、この舞台に進んだ両チームはすでにB2ライセンスが交付され、目標にあと一歩届かなかったあとに用意された試合は心が追いつかない。結果は1敗の後、2連勝したレギュラーシーズン5位の横浜EXが、3位でシーズン終了。今後はGM職に専念する石田ヘッドコーチにとっては、有終の美を飾ることができた。
3位決定戦に敗れた悔しさよりも、「ケガなく最後までみんなで戦い、1シーズンが終わってホッとしている」と泉ヘッドコーチは正直な感想を述べる。勝った石田ヘッドコーチもまた、「選手ががんばってくれたからこその勝利であり、本当に感謝している。最後に笑顔で終えられたことは、これから向かうオフの過ごし方や朝の目覚め方も変わってくる」と安堵していた。