「まだ経験浅い」ポイントガードが独り立ちしたときこそ常勝軍団復活への期待
川崎との初戦で先発ポイントガードを任されたのは、5年目の長野誠史。最後はファウルアウトしてしまったが、気合いのこもったディフェンスで川崎の攻撃を封じた。開幕戦は大学1年時に特別指定選手としてプレーし、韓国KBLを経て三河に復帰した中村太地が、4戦目からは細谷将司に託し、「その時に調子の良いガードを先発に起用している」と鈴木ヘッドコーチは見極めながら試合に臨んでいる。
アシスタントコーチ同様、鈴木ヘッドコーチの右腕としてポイントガードは信頼すべきパートナー。かつては佐古賢一(現レバンガ北海道ヘッドコーチ)、柏木真介、橋本竜馬(現レバンガ北海道)がコート上のコーチとなって常勝軍団が築かれていった。細谷、長野、中村に対し、「まだ経験が浅い」と鈴木ヘッドコーチは育成し続け、着実に信頼関係も上向いている。
「去年も一昨年もそうだったが、ポイントガードのところでやられて負けるゲームが結構多い。そこに対して、ディフェンスの練習もしてきた。今日は相手の調子が悪かったというのもあるとは思うが、3人ともディフェンスをしっかりとがんばってくれた」
ポイントガードが信頼を勝ち取り、独り立ちできたときこそ、強い三河が戻ってくる。「チームのエナジーが一丸となって、同じ方向に向かっていたと思います。ディフェンスから走ること、流れが悪いときでも1本しっかりチームで得点を獲れたところ、その両方がしっかり出ました」と西田は手応えを感じ、目指すべきスタイルが表現できはじめている。
4勝4敗の振り出しに戻した三河であり、2連勝したことで川崎も同じ4勝4敗とし、首位から引きずり落とした。次戦10月26日(水)は、変わって首位に浮上した三遠ネオフェニックスとのアウェーゲーム。5勝3敗の三遠に勝てば、ふたたび首位チームと勝率で並ぶことができる。
文・写真 泉誠一