今シーズンはレバンガ史上最高の景色を見に行きたい
── ここからは現在のレバンガ、これからのレバンガについてお聞きしたいと思います。昨シーズンのレバンガは21勝35敗、東地区では11チーム中9位の成績を残しました。14勝45敗で終えた前シーズンから見れば大きく躍進した感がありますが、橋本さん自身はどうとらえていますか。
橋本 もちろん満足はしていませんが、それでもチーム全体に自分たちがやるべきことをやっていけば勝てるんだという自信が出てきたのを感じます。ここからもっと上に行きたいと思う集団になってきました。若い選手たちも頑張ってますよ。うちは他のチームより試合に出られるチャンスが多いので、特別指定選手として昨年加入した松下(裕汰)なんかもどんどん経験を積んで自信をつけてきています。ポイントガードの寺園(脩斗)もファイターなので練習にも活気が出てきましたね。本人たちはまだ自分のプレーに浮き沈みがあることを自覚していますから、僕が言うことにも真摯に耳を傾けてくれます。そういう姿勢が見られるのがすごくうれしいです。
── 橋本さんは琉球ゴールデンキングスに在籍した1年間で柔軟なコミュニケーションの取り方を学んだと言われましたが、それはレバンガでも生かされていますか。
橋本 生かされていると思います。若いときからバスケと真摯に向き合ってきたという自負はありますが、とにかく勝ちたいという思いが強くて、周りの選手の気持ちとか相手が今どういう状態にあるのかといったところまで気が回らなかったような気がします。でも、今はいろんな経験をさせてもらったおかげで、前より選手1人ひとりに寄り添えるようになりました。前だったら「なんでちゃんとやらないんだ」と、バンと言っちゃってたと思うんですけど、今は変わりましたね。選手はそれぞれ持っているものが違うし、考え方も違ってあたりまえです。全て同じように「こうだ」と自分の考えを押し付けるのではなく、まず相手の話を聞いてから「それはこの方がいいんじゃないか」と話すよう心掛けています。もちろん、ときには厳しいことを言わなきゃならない場面もありますし、あえて強く言うときもありますよ。でも、どっちにしても相手のことを思って言うことに変わりはないので、バランスを取ることを大事にしていきたいです。そう考えられるようになったのも自分の成長…と言うより年の功かな(笑)
── いえ、それはやっぱり橋本さんの成長でしょう。プレーにおいても自分の変化を感じることはありますか。
橋本 佐古(賢一)さんが来てから自分のプレーは相当変わったと思います。ディフェンスについてはどこへ行ってもアジャストできる自信はあるのでこれまでどおり頑張るという感じですが、オフェンス面では変わりましたね。学生時代もそうですし、三河や琉球にいたときもそうですが、周りに得点できる選手がたくさんいたので、自分の仕事はどうボールを動かして、どう配給して、どう仲間を生かすかということでした。でも、昨シーズン佐古さんから「それだけじゃ足りない。竜馬にはいい流れをつかむきっかけを作ってほしい」と言われたんですね。きっかけを作るにはシュートだったり、ペイント内へのアタックだったり、今まで以上に積極的にゴールに向かうことが求められます。自分は特別スピードがある選手ではないですが、昨シーズンを通して攻めるときの間合いというか感覚はつかめた気がしています。なので、今シーズンはそこをさらに磨いて “きっかけを作る役割” にトライしていくつもりです。