コートの中でもSDGs。その象徴となる戦闘服
SDGsという言葉が市民権を得てひさしい昨今。近所の公園で一緒にバスケをする中学生に聞いたところ、身近な持続可能な取り組みについて考える自由研究が夏休みの宿題だそうだ。Bリーグや各クラブもSDGsに取り組み、バスケを通じたより良い世界を目指している。その先頭を走っているのが川崎ブレイブサンダースだ。「&ONE」プロジェクトは今年で3年目に突入する。
8月19日・20日には「夏休みSDGs教室」を開催。様々な企業から講師を招き、子どもたち向けに楽しくSDGsを学ぶ機会を提供。毎年、選手向けのSDGsセミナーも実施しており、「ファンの皆さんをはじめ、いろんな方々に提供できることをチーム全員で話し合いながら、SDGsの実現へ向けて取り組んでいます」と熊谷尚也が言うように、その意識は高い。
昨シーズンは、オフィシャルサプライヤーのアシックスが開発したリサイクル素材を使ったシューティングシャツを着用。その着心地について「違和感なく、汗を吸って速乾性もあり、機能面でも動きの制限もなく、快適にウォームアップできていました」と熊谷は感想を述べ、プロ仕様でも遜色ないパフォーマンスを発揮。
今シーズンは、同じリサイクル素材を使ったアシックス製ユニフォームがお披露目された。加えて、スタッフ陣が着用するスーツもまたリサイクル素材が使用され、カーシーカシマが新たなサプライヤーとしてサポートする。「コート上でも&ONEの要素を入れたかった」という川崎の元沢伸夫社長にとって、念願の戦闘服を手に入れた。
この発表前に、新素材について知らされないまま新しいユニフォームを着て動画に臨んだ&ONEアンバサダーの篠山竜青がその機能性について説明する。
「リサイクル素材を使っていると言われなければ分からないし、気付かないんですよ。撮影時も結構動き回って汗をかいたのですが、全く気付かないまま着ていました。それぐらい機能面では優れているというのが素直な感想です」
2年前に立ち上げた&ONEプロジェクトはこれまで、コート外での活動が多かった。持続可能なリサイクル素材を使ったユニフォームとスーツを着て戦う今シーズンは、「コートの中でも常にSDGsというものが川崎ブレイブサンダースの中にある。それを象徴できるひとつのアイコンになったと感じています」と篠山は強調する。
9月8日に行われる「2022-23シーズン出陣式」(ラチッタデッラ内アレーナチッタ)では全選手・スタッフがこのスーツを着用して臨む。篠山は「バスケ選手としても、カッコ良さをまた違った角度からアピールできる」と期待し、ファンの前でお披露目できる日を楽しみにしていた。