U18チームを通して、「バスケット以外の部分がものすごく大切な3年間になる」と伝えています。また、僕の下にいるのもわずか3年間だけ。その後にいろんな方々やコーチと関わっていくとともに、キングスU18の看板をずっと背負っていくわけです。彼らが県外や世界に出たときに、キングスU18には「こんな人材がいるんだ」と思ってもらえるようなカルチャー作りをしている段階です。人間形成に関しては特に力を入れています。必ずしもプロ選手になることだけがバスケットに携わるわけではありません。いろんな職種や選択肢があり、どんな形でもキングスに携わりたいと思ってもらえるようにしています。彼らが県外や世界に出て経験や実績を積んだ後、キングスに戻って還元してもらえるような流れやカルチャーをこのチームから構築しています。
外国籍選手もおり、多国籍軍団のような沖縄ならではのチームができています。練習の中から英語が飛び交っており、子どもたちが世界に飛び立つためにも重要な環境だと思っています。#8 イザヤ・ロペスはNCAAディビジョン1を目指しており、そのためにキングスで学びたいという志を持って入って来ました。いろんな可能性や選択肢があって良いと思います。ここから飛び立つときには、キングスU18のカルチャーを発信していく人材になって欲しいと願っています。山で例えれば、まだまだ一合目ですが、しっかり前進して行けるようにしたいです。
トップチームに関わることで成長速度の度合いがものすごく早くなることを実感
第4位:横浜ビー・コルセアーズU18 / 白澤卓ヘッドコーチ
結果として優勝を目標にしていましたが、今大会を通して選手たちがいかにレベルアップできるか、または直面した課題にどう取り組むかということをクリアさせたいというテーマを持って臨みました。準々決勝の千葉戦では後半のスタートが悪く、最大12点差をつけられながらもカムバックし、逆に勝ち越すことができたことは大きな経験になりました。試合を通して、チームとして成長できたと実感しています。
トップチームにつながる選手を輩出するのがひとつの大きな目的があり、これまではイマイチ踏ん張りきれなかった#17 平岡勇人や#9 白石礼が、最後までがんばってくれたことが大きな成果でした。今大会を通して、トップチームに近づく選手を見出すことはできたと思います。
昨シーズン、トップチームでプレーしたジェイコブス晶は特別な選手です。ユースの選手がトップチームに関わることで、成長速度の度合いがものすごく早くなることを実感できました。今後も継続的にトップチームへ選手を輩出していく必要性を感じています。
トップチームとつながりを持つことで、どんな選手を求められているかがクリアになっています。シューティングガードやポイントガードにコンバートして欲しい選手をチームとして見定めながら、選手や我々コーチにとってもゴールが明確になっていることが大きなメリットです。ただし、バスケットの育成だけではなく、学生として立派な社会人になれるように指導していかなければいけないことにも注力しています。
文・写真 泉誠一