part1「驚異のウイングスパン231センチ! SR渋谷に降臨したWarrior」 より続く
スペインの名門、レアル・マドリードでプロとしてのキャリアをスタートさせたセバスチャン・サイズが、今シーズンからBリーグのサンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)でプレーしている。
世界基準で見渡したとき、スペインリーグはNBAに次ぐレベルの高さを誇るリーグと言っていい。そこでプレーしていたセバスチャンにとって、プロリーグとしてまだ“4歳”のBリーグはどのように映っているのか。
すると彼は背筋をスッと伸ばしてこう答えた。
「本当にタフなリーグだと思うよ。今までいたスペインリーグと比べると、ボク自身の役割は明らかに異なる。外国籍選手のレギュレーションのところで、ときには40分間、交代なしで戦わなければいけないこともあるし、一番大変だと感じているのは“バック・トゥ・バック”、つまり土日で2連戦するのが普通だというところだね。その難しさは今も感じているよ。1日目にボクたちが勝てば、当然相手は2日目にバウンスバックしてこようと、もっとエナジーを出してくる。そうした戦い方の難しさは感じているよ」
よく言われることだが、世界的に見るとやはり土曜日、日曜日と連続して同じチーム同士でゲームをおこなう国は少ない。ただでさえ外国籍選手には出場枠で特別なルールが課せられている。一見、日本人選手に比べて優位に見えるような外国籍選手でも、実は彼らにとってBリーグはタフなリーグなのだ。
そのBリーグは来シーズンから外国籍選手のレギュレーションを変更し、現行の試合エントリー数を2人(帰化選手除く)から、3人(帰化選手およびアジア特別枠除く)とする。
セバスチャンのほかにライアン・ケリー、チャールズ・ジャクソンがいるSR渋谷は、現行のルールでは試合ごとに誰か1人をベンチ外に置かなければならないが、来シーズンからは3人ともベンチに置くことができる。オンザコートの数は現行通り2人で変わりはないが、それでも2人のエントリーで2人を使える、というのと、3人のエントリーで交代しながら2人を使えるというのではとても大きな差がある。
SR渋谷は18試合を終えた現時点でセバスチャンの出場ゲームを10試合、ケリーを14試合、ジャクソンを12試合とうまく分散させて休養を与えているが、少なくとも来シーズンからは1人の選手が40分間フルで戦うこともなくなり、より質の高いプレーを見せられそうだ。
話は逸れたが、ともあれ現時点のセバスチャンはBリーグの外国籍選手としてタフな状況に日々チャレンジしている。しかも相手チームにはNBAでプレーしたことのある選手もいる。その話を向けると、それまでとはやや声のトーンが変わり、彼自身が自認する“ウォーリアー”の表情になった。