悔しい2連敗だったが「勉強になった2日間でした」
試合前から会場内のMCが煽る通り、ディフェンシブな戦いが予想された。しかし、初戦は90-87とハイスコアの展開となり、ホームの川崎ブレイブサンダースが琉球ゴールデンキングスとのシーソーゲームを制する。続く2戦目も、序盤から互いに3Pシュートを決めて得点を重ねて行く中、持ち前のディフェンスが戻って来た川崎が98-75で勝利し、4,469人のファンを笑顔にした。
敗れた琉球の岸本隆一は開口一番、「負け方ですよね……ディフェンスにプライドを持って戦っているチームらしくない負け方だったのが、すごく悔しいです」と率直な心境を語りはじめる。佐々宜央ヘッドコーチが体調不良により、急きょ指揮を獲った藤田弘輝アシスタントコーチは「相手のガード陣からのツーメンゲームに苦しめられた」と敗因を挙げる。当のガードである岸本は、「ビッグマンが絡んだとき」と「純粋にアウト・オブ・バウンズからレイアップまで持って行かれたとき」の2つの失点パターンがあり、後者に対して反省していた。
ビッグマンがスクリーンをかけに来るピック&ロールを一人で守りきるのは難しい。「バスケットの中での駆け引きもあり、そこで多少やられるのはしょうがない部分です」と岸本は考える。だが、ディフェンスを成功させた川崎が、そのまま思い切り良くペイントエリアに侵入して得点されたシーンは「やられてはいけない部分です」。それ以外にも篠山竜青や辻直人が起点となり、「パス&ランからレイアップに持って行かれたのは、僕らにとっては絶対に許してはいけないところでした」とディフェンスの精度を欠き、この点差がついてしまった。
悔しい試合ではあったが、「勉強になった2日間でした」と岸本にとっては収穫も多く、プラスに捉えている。
多くの気づきがあった篠山竜青とのマッチアップ
マッチアップした篠山竜青は、日本を代表するポイントガードである。今夏のワールドカップをはじめ、「たくさんの大舞台を経験し、どこに試合のポイントがあるのかをすごく分かっており、実際に実行できる選手です。ゲームのポイントを分かっている選手はたくさんいますが、実際にそれをプレーで示すことができる選手は限られます。その少ない中の一人だと思っています」と篠山を称える岸本は、戦いながらも多くの気づきがあった。
「全部が全部うまくいくわけでもないので、どうやってガマンし、どこで踏ん張るかなどゲームの流れや駆け引きもこの試合を通してすごく勉強になりました。そこは今後、僕自身が詰めていかなければならないところでもあります」