宮田 バブルという表現が良いか悪いかはさておき、八村君や渡邊雄太君みたいなNBA選手が生まれたことで日本のバスケットボールの注目度が一気に上がり、盛り上がっているのは間違いないと思います。それをバブル時代にするかどうかを決めるのはやっぱり東京オリンピックが終わったあとですね。協会もそうですし、Bリーグもそうですし、現場の僕たちもそうですけど、そこからどう取り組んでいくかを真剣に考える必要があるんじゃないでしょうか。
平 日本のバスケットボール関係者が一丸となって。
宮田 そうです。今は(日本)代表が引っ張ってくれてますけど、それを一過性にしないためにはみんなで考える作業をしっかりしなきゃならない。いろんな意味でバスケはおもしろい、バスケは楽しい、バスケを通して日々の生活が豊かになると言ってくれる人を増やしていくための作業です。そういう意味では1番引っ張りやすいのはやっぱりBリーグだと思うので、僕たちも人気を伸ばしていく努力をしていかなくてはと思っています。特に千葉ジェッツさんとか影響力のあるチームがいろんな意味でリードしていってくれることは大きいので、そこは頼りにしたいですね。あれ、僕、また丸投げっぽいこと言ってます?
池内 ハハハハ…。いや、おっしゃるとおりで。僕は“バブル”みたいな表現は決して間違っていないと思うんですよ。八村選手みたいなスターが出てきた影響は計り知れませんし、その先には44年ぶりのオリンピックが待っていますからね。けれど、大切なのは宮田さんも言われましたけど、オリンピックが終わったあとで、もしかするとオリンピック終了とともにこの熱が一気に冷める可能性もあります。今の盛り上がりを一過性のものにしないためにはBリーグとしての努力も必要。それはバスケットに対する恩返しというか、リーグトップと言われているチームにいるからにはやらなくてはならないことだと思っています。ジェッツだからできることを考えて、我々がやるべきことをやり抜こうというのは今もこれからも変わりません。
平 僕は20年以内にBリーグをNBAに次ぐリーグにしたいと思っていて、まあそう思っていても僕が直接それをできるポジションにいるわけじゃないんですが。そうなってほしいと願っているというか、そうなることを信じているんですね。
宮田 信じることは大事です。
平 そう、信じることは大事ですよね。物事は信じることから始まるから。ただ一方で今のバスケ人気をバブルと感じている人がいるならばそれは危機感の表れでもあるから、勝って兜の尾を締めろじゃないですけど、そういうマインドを持って足りないものを揃えていくことが必要だなと思っています。今後の育成という面でもそうですね。八村塁も渡邊雄太もすばらしい選手ですが、協会が彼らを意図的に育てたかといえばそうではない。その事実は事実として受け止めて、これからは彼らに次ぐ若い選手を育てていってくれることを願っています。もちろんBリーグにも期待してますよ。
宮田 僕も千葉ジェッツ、ひいては池内GMに期待しています。
平 ちょっと、それ、最後まで丸投げ発言!(笑)
東京エクセレンス 宮田諭GM × 千葉ジェッツふなばし 池内勇太GM
GMに必要なのはフットワークとコミュニケーション能力
part1「『自分がGMに向いていると思ったことは1度もありません』(宮田)」
part2「『GMの存在自体がまだフワッとしているように感じます』(池内)」
part3「『僕はGMに年齢やキャリアは関係ないと思っています』(宮田)」
part4「『僕は20年後にBリーグをNBAに次ぐリーグにしたいんです』(平)」
文 松原貴実
写真 安井麻実