「相手を13点に抑えられたが、自分たちは11点しか獲れずに負けました。でも、リバウンドをがんばって、相手が嫌がるディフェンスをしてフラストレーションをためさせ、簡単にシュートを決めさせないロースコアゲームに持ち込まなければ日本が勝つのは難しい。だからこそ、ディフェンスとリバウンドが重要になります。オフェンスに関しては、1点の確率をどれだけ効率良く決められるかどうかが今後の課題です。2Pシュートの比率は大きいですが、アウトサイドシュートは水物です。安定性を作るにはディフェンスとリバウンド、そして1点を8割は決めなければいけません」
UTSUNOMIYA BREX.EXEは現在、NORTH JAPANカンファレンスで首位に立つ。考えてプレーするベテランは、「バスケにおいてボールは1つしかありません。どれだけ一人ひとりがボールを触らずにシュートを決められるかが大事です」というバスケに対するコンセプトを持っている。3×3は人数が少なく、攻撃時間も12秒と半減するからこそ、そこを突き詰めていかねばらない。「今のBREX.EXEはドライブしてキックアウトしながらノーマークを作ってシュートを打つ。1人でボールを持ちすぎることなく、流れるようなオフェンスができており、それによって相手のディフェンスも簡単にヘルプに来られなくなります。そういうバスケができているから勝率も良いですし、プレーが安定しており、何よりも崩れない」と自信を持っていた。
今後も国内外で大会があり、茨城ロボッツとグロービス経営大学院の受験と平行しながら参戦する日々は続く。3×3は個人ランキングが重要であり、来年のオリンピック代表に選出される4人のうち、2枠を確保するためにも国内トップ10に入る必要がある。8月20日現在、小林の国内ランキングは10位と当落線上にいる。「日本代表に選ばれることは重要です。もっと言えば、すでに開催国枠でオリンピックに出ることが決まっているわけだから、そこでどれだけ勝てるか、どうやればメダルを獲れるかという部分に焦点をあてなければいけません」と足元ではなく、高い位置を見据えて戦っている。
これからの1年間で、「B1昇格」「3×3でのオリンピック出場」そして「グロービス経営大学院合格」と3つのミッションを掲げ、突っ走るしかない。一つひとつクリアできることを祈りつつ、吉報が届くのを心待ちにしている。
人がやらないことが好き ── MBAに挑む茨の道
part1「現役中にMBAを取得することに一番意味がある」
part2「求められることで力を発揮するタイプ」
part3「オリンピックに出ることが決まっているからこそ、メダルを獲れるかに焦点をあてなければいけない」
文 泉誠一
写真 吉田宗彦