「自分の中で時間がない概念が一番嫌いです。ゆとりがないと、性格的にもテンパってしまいます。今はタイムマネジメントが一番の課題であり、合格するためにもやらなければいけないことです」
小林がMBAに興味を持ったのは、今から5年も前のことだ。社員選手として活動していた日立サンロッカーズ(現サンロッカーズ渋谷)から一念発起してプロ選手となり、リンク栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)へ移籍した2014年のときである。グロービス経営大学院のことを知り、MBAに興味を持ち始めたときに、先に挙げた卒業生の藤本副社長に出逢う。経験者からいろんな話を聞けたことで、「僕も取ろうかな」と意識しはじめる。「でも、なかなか重い腰を上げられず、5年が経っていました。今回、茨城ロボッツからオファーをいただいたことで前進することができました」。グロービス経営大学院と茨城ロボッツが提携していたことも「付加価値としては大きかったです」と移籍を決断するとともに、新たなチャレンジのきっかけをつかんだ。
慶應義塾大学を卒業し、同級生にもMBA取得者は結構いるそうだ。しかし学生時代、経営学は「ノータッチ」だった。当時は「アナウンサーになりたくて就活をしていました。全滅しましたけどね。なので、マスコミュニケーションや言語コミュニケーションを学んでいました」。引退後に実況などテレビやマスコミの仕事という選択肢もあるだろう。しかし、MBA取得の動機としては、「親が自営業という影響もあります」。
「引退後にどうするか……企業に属すのか、それとも自分が経営者となるのかを考えたときに後者なのかな、とざっくばらんにずっと思っていました。あとは自分が興味あるスポーツを近づけながら、というある程度の形はあります。それを元に今は考えています」
part2へ続く「求められることで力を発揮するタイプ」
文 泉誠一
写真 吉田宗彦