※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年1月末発行vol.5からの転載
昨年11月中旬に電撃加入で話題を呼んだ並里成。その加入を人一倍喜んだのは福岡第一高校の1年後輩にあたる狩野祐介だ。高校時代から互いの力は熟知している。スピードとテクニックを併せ持つ司令塔とストイックなピュアシューター。 9年ぶりに顔を合わせた2人が『あうんの呼吸』で牽引するレイクスターズの後半戦に注目したい。
── Bリーグも前半戦が終わりましたが、その中で滋賀レイクスターズは西地区最下位に低迷しています。お2人から見て現在のチーム状況はいかがですか?
並里 僕は途中から滋賀に来たわけですが、若くてすっごく元気があるチームだなあというのが第一印象でした。残念ながらその元気が今は結果につながっていませんが、波に乗れば予想以上の勢いを発揮できるチームなので、僕は自分が経験してきたことを生かして引っ張っていけたらと思っています。
狩野 僕は成さん(並里選手)が滋賀に来てくれたことがとてもありがたいです。というのもそれまでは中に切り込める選手がエースのジュリアン(マブンガ)ぐらいで、彼の負担がすごく大きかったんですね。自分のマークもきつくて、動いて動いてシュートチャンスを作らなきゃならなかったので、前半だけでバテバテになる試合がいくつもありました。そこに切り込めて、パスがさばける成さんが来てくれたことで、ジュリアンの負担が軽くなり、成さんにディフェンスが寄ることで僕がノーマークになる場面も増えました。欲しいところにドンピシャのパスが来るし、めちゃくちゃ頼れる人が入ってきてくれたなあと思っています。
並里 祐介(狩野)は高校のときからいい意味で全然変わってないよね。身体は大きくなってるし、プレー面でも成長してるけど、まじめなところは昔と全く同じ。プレースタイルもぶれてなくてムラがないから僕としてはすごく信頼できる存在です。
狩野 成さんにそう言ってもらえると素直にうれしいです。僕は周りから「並里選手ってどういうところがすごいの?」と聞かれることが多いんですが、そのたびにいろいろありすぎて困ってます。まあ一言でいえば「動きが人間じゃない」ところでしょうか。
並里 俺、野性的?
狩野 なんですかねぇ、沖縄チックというか、リズムが独特だし、あれは考えてやっているんじゃなくて、小さいときからもう身に付いていたものなんでしょうねぇ。
並里 ってことは、本能的?
狩野 ハハハハ(笑)成さんは高校のときからそういう選手でした。
── 高校時代、狩野さんにとって並里さんはどんな先輩でしたか?
狩野 寮で同じ部屋になったこともありますが、結構怖い先輩でした。
── よく怒られたとか?
並里 いえ、そういう『怖い』じゃないと思います。
狩野 そうそう、どちらかと言えばやんちゃな『怖い』(笑)
並里 やんちゃな並里君とまじめな狩野君でした。でも、コートの上では同じ方向を向いてたよね。
狩野 息は合ってましたよね。僕は当時から成さんのバスケットセンスとか身体能力の高さがものすごく羨ましくて憧れているようなところがありました。そういう成さんと一緒にプレーすることが楽しかったです。