※本記事は2018年10月発行、バスケットボールスピリッツvol.26からの転載
スタートした3年目のB.LEAGUE、伊藤達哉は開幕2連戦でいずれも約30分コートに立ち、持ち前のアグレッシブなプレーでチームを牽引した。「先輩たちが自由にやらせてくれるおかげです」と謙虚に語るが、16得点、23得点をマークした“攻め気”は今年も健在。コートを駆ける172cmの身体には、人一倍の努力と、人一倍の負けん気と「バスケが好きでたまらない」気持ちが詰まっている。
── 昨シーズンはルーキーながら京都の司令塔として存在感を示したと思います。振り返って、ご自身の感想を聞かせてください。
最初のうちは英語が話せないこともあって外国籍選手とコミュニケーションを取るのが難しかったんですね。でも、自分が頑張ること、自分のプレーを見せることでだんだん信頼してもらえるようになってきたなという手応えは感じました。ジュリアン(マブンガ)とは今年も一緒にプレーしますが、もう信頼関係はバッチリです(笑)。チームとしての結果には納得していませんが、個人的にはいろんな経験ができたし、そこから得るものもたくさんあったし、充実したシーズンだったと思います。
── コートに出れば自分より大きな選手とマッチアップすることが多いわけですが、その際心がけていることはありますか?
大学のときはフィジカルを強化しなくちゃという思いが強くてウエイト(トレーニング)ばっかりやっていたんですね。そのせいというわけじゃないですけど、自分にはスピードの部分が足りないなぁと思っていて、最近はウエイトを減らして体幹メインでスピードをつけることを意識してます。相手がビッグマンだったり、スイッチされてもあわてないで1回ちょっと下がってからグンとスピードをつけて抜くとか、そういう緩急をつけたプレーを心がけています。バスケットはやっぱり上の空間で戦えることが有利じゃないですか。でも、小さい選手には下の空間で戦う有利性があると思うんですね。小さいからこそ下の空間が有効になるみたいな。もちろんスピードもそうですが、ディフェンスなら相手が嫌がる足元に入れるとか、大きな選手にできないことはたくさんあるので、そこで勝負していこうという気持ちは常に持っています。