「いつも通り自分にできることをやろう」
西地区首位の島根スサノオマジックをホームに迎えた東地区2位の宇都宮ブレックスとの注目の一戦。「ディフェンスのパフォーマンスが素晴らしい出来だった」と宇都宮のケビン・ブラスウェルヘッドコーチが口角を上げたとおり、島根を58点に抑えて初戦を勝利(72-58)。10月27日のファイティングイーグルス名古屋戦でギャビン・エドワーズをケガで失い、代わって先発を務める竹内公輔が奮闘する。
エドワーズとともに、ようやく調子が上がってきた渡邉裕規もケガで欠く状況に、「チーム全体でその穴を埋めていかなければならない」と竹内は強豪相手に気を引き締める。仲間のため、勝利のため、より気合いが入ってもおかしくはないシチュエーションに対し、「そんなに意識はしていないですけど、自分がやらなければいけないという気持ちにはなっています。でもまぁ、いつも通り自分にできることをやろうと思っていることが、昨シーズンも今シーズンも良い方向に行っているのかなと思います」と正常運転でコートに立った。初戦は33分出場し、10点・9リバウンド。翌日は38分間コートに立ち続けて11点、ディージェイ・ニュービルに並ぶチームトップの+13と大活躍。
穴を埋める役割とは、「ギャビンのようなプレーは僕にはできないと思っていますし、スタートで出ている5人の中で自分は(オフェンスで得点を獲るような)メインの選手でもない。チームのリズムを読んで、自分が今何をしなければいけないかを考えながら常にプレーしています」と変わらぬ泥臭さで2連勝に貢献。取材した土曜ゲームは竹内が出ていた時間帯、マッチアップするニック・ケイのシュート率を下げるディフェンスを見せ続ける。「島根のオフェンスでもディフェンスでもバランスを取る重要な選手です。完璧には抑えられないとは思っていましたが、彼を自由にさせないようなディフェンスを僕はできたかなと思います」という言葉どおりの働きだった。
西地区首位から2連勝し、その裏で千葉ジェッツが秋田ノーザンハピネッツに敗れたことで、順位は変わらないがともに9勝2敗。バイウィークまであと3試合、宇都宮はアウェーゲームが続く。
ふたたび日本代表入りを期待してしまうシューターメンタリティー
開幕から11試合を終え、竹内の出場時間は20分を越えるときもあれば、10分に満たないときもある。10月23日の群馬クレインサンダーズでは出場機会がなかった。外国籍選手がインサイドポジションを占めるBリーグにおいて、安定したプレータイムが約束されていない。いつでも試合に出るための努力と準備を怠らないのが竹内の長所でもある。2007年ユニバーシアードで世界4位となった黄金世代も、気づけば40歳になる年を迎えていた。
いくら入念に練習をしていても、実際の強度は試合に出なければ測れない。出場時間こそ区々だが、17年間トップリーグのコートに立ち続けてきたことが力になっている。全盛期に比べれば、出場時間に平行するように様々な数字は下降傾向にある。その中において、3ポイントシュートだけは逆に伸びている。開幕当初、シューターメンタリティーなコメントを残していた。