2月23日を最後に、新型コロナウイルス感染リスクを考慮したWリーグは、それ以降のレギュラーシーズンを中止した。そこから約2週間程度で収束に向かう希望を抱いていたが、ウイルスはさらなる猛威を振るう。3月28日から無観客試合で行われる予定だったプレーオフも中止となり、第21回Wリーグはたった16試合で幕を閉じた。
すでに本家Wリーグアウォードは表彰者が決定しており、渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)が6年連続7回目のMVPを受賞した。その決定に異論はない。我々メディアにも投票権があり、同じく渡嘉敷に1票を投じていた。スピリッツアウォードでは本家の結果を尊重しつつ、他に賞賛すべき選手はいないかを探すのが恒例となりはじめている。
岡本彩也花(JX-ENEOS)の「評価が低すぎるのではないか」という疑問が上がる。Wリーグアウォードのベスト5において、ガードフォワード部分で岡本は2位だった。受賞した渡邉亜弥(三菱電機コアラーズ)は85点に対し、岡本は37点。48点もの大差で敗れている。(※Wリーグアウォード各賞は第3候補まで投票でき、第1候補に名前が挙がった候補者は「5点」、第2候補は「3点」、第3候補は「1点」がそれぞれ加算される)
Wリーグで10年目を全うした岡本が、ベスト5を受賞したのは昨年がはじめてであった。同期として、ともにチャンピオンロードを歩んできた渡嘉敷が手にした同賞は、8年連続9回を数える。岡本の先発出場回数は241回となり、この10年間だけで比較すれば吉田亜沙美の231回を抜いた。
今シーズンも15勝1敗で最高勝率を誇り、皇后杯では7連覇を達成した女王JX-ENEOSにとっても、欠かせない存在である。スター軍団の中にいることで埋もれてしまいがちだが、弊アウォードでは岡本にスポットライトを当て、MVPを贈ることに決めた。
文 泉誠一
写真 W LEAGUE