※本記事は2018年12月発行、バスケットボールスピリッツvol.28からの転載
今後、新しいスターになり得る選手は?
秋元 遅れてすみません。今日は新しいスターを探す話ですよね。次代のスターと言えば、やはり渡邊雄太と八村塁でしょう。2人とも今、我々が想像できなかった域にいるじゃないですか。夢のまた夢というか。
山上 すみません。今回はこの2人を外した日本人選手ということで皆さんに語ってもらってます。
入江 雄太と塁を入れたら、みんなが「そうだよねぇ」と言って、座談会が5分で終わっちゃいますから(笑)
秋元 なるほど(笑)
平 今のやり取りを聞いていて、10数年前に「日本でスターを作るんだったらNBA選手を作る方が早い」っていう話をしたことを思い出しました。けど、渡邊選手は周りが意図してNBA選手に作り上げたわけではないし、小さいころから海外に向けて育ててきたわけじゃない。高校からアメリカに送り込むとか、そういうバックアップして今の彼が生まれたわけじゃないですよね。八村選手も同じです。彼もおそらく将来はNBAでプレーする選手になると思いますが、それは協会やリーグがお膳立てしたわけではない。そう思うと、高い能力がある選手を協会がバックアップすれば10年後、NBAに10人くらい日本人選手がいる可能性もあるかもしれません。少なくともその可能性はゼロじゃないと思うんですよ。
入江 あと10年ぐらい経ったらアメリカの大学を出ていないと日本代表に入れないという時代が来るかもしれませんよ(笑)
山上 そんな想像をするのは楽しいですよね。それでは、皆さんが考える『今後のスターになり得る選手』についてお聞きしたいと思います。僭越ながら私から言いますと、私が持つスターのイメージに近いのは川村卓也選手(横浜ビー・コルセアーズ)なんですね。プレーヤーとしての能力が高く、自分のことばで自分の考えを話せて、少しばかり破天荒で。ただ彼も今年32歳ですから、次代のスターとなると川村選手をひと回り若くした感じの選手になるのかなと思います。今、気になっているのは拓殖大のエースでありながら大学を辞めてシーホース三河に入団した岡田侑大選手。まだ20歳ですよね。シューターとして楽しみな選手だし、ストーリーもあるし、おもしろい存在だなって思っています。
秋元 岡田君、いいですよね。1年生からチームのエースとして活躍してこれからも期待されていた大学を辞めてプロになることにはいろいろ言う人もいたと思いますが、そういうネガティブな声に耳を傾けないで自分が決めた道を進む彼みたいな選手がこれからもたくさん現れることを願っています。それと子どもがあこがれるスターの要素を持っているのは馬場選手じゃないですかね。スピードとかダンクとか見ていてわくわくするし、わかりやすい。さらに「いい車に乗ってます」とか、スター的ライフスタイルがのぞければもっとあこがれ度が増すかもしれません(笑)
丸山 僕の中でもやっぱり1番は馬場選手なんですけど、今後の期待を込めてという意味で挙げたいのは専修大学3年の盛實海翔君(この後サンロッカーズ渋谷の特別指定に)です。シュートもパスもうまい選手で、華もあります。聞くところによると普通だったら怒られるようなシュートでも自由に打たせてもらってるということで、なんていうか押さえつけられた部分がないんですね。スターになれるかどうかはまだ未知数ですが、のびのびとして見ていて楽しいプレーヤーなのでその要素は十分あると思います。
マーク 盛實!彼の名前は絶対僕しか言わないと思ってた(笑)。左利きで上下の駆け引きができて、ディフェンスをちょっと小バカにしたようなプレーができる選手です。見た目もいいし、スター性はめちゃくちゃあると思いますよ。まだ3年ですが、彼がプロになってどんなプレーをするのかすごく楽しみ。あと、日本人はちっちゃなプレーヤーが好きじゃないですか。バスケットボールスピリッツさんが前にやった『U175』という特集はすばらしい企画だったと思ってます。
山上 ありがとうございます。