女子トップリーグWJBLは、1967年に始まった日本リーグから数えて48年目を迎えた。長い歴史を紡いできた中でリーグ戦17回、オールジャパン18回、合計35回もチャンピオンとなり、その勝ち星がJX-ENEOSのユニフォームに刻まれている。ルーキーであろうがその伝統をまとうことで、恥ずかしいプレイはできない。自分たちで律しながら挑戦し続けることが、JX-ENEOSの強さでもある。
「まだシーズンは始まったばかりですし、これからいくらでも変わっていけるとも思っています。それも一人ひとりの考え方次第ですし、目標を高く持たなければいけません。低い位置の目標ではやっぱりダメだと思うので、一人ひとりが高い意識と高い目標を持って、自分が変わる、変わらなければいけないという気持ちを持たなければいけません。だからこそトヨタや富士通に負けてしまったんだと思います。日々勉強ですよね」
世代交代の中、脱皮にもがく大蛇のごとし
もっともっといろんな話を伺いたかったが、目の前に迫る多くのファンの元へ開放する時間が来てしまった。
“吉田亜沙美”が放つオーラは、男子選手を含めて国内では群を抜いており、近寄りがたい。しかし面と向かって話を聞けば、裏表無く自分やチームに厳しい言葉を重ねていき、身の引き締まる思いを毎回させられる。
企業チームやプロチームで混乱する男子リーグだが、真のプロ選手は女子にこそ多い。それは常に世界を見据えているからであり、吉田選手が言うように“高い目標”を掲げているからに違いない。だからこそ、“日々勉強”という最後の言葉は重たく、試合に出られない状況でも全力で戦っていた。
肝心の復帰時期については、「もうちょいかな。早くみんなとバスケットがしたいけど、あまり焦ってはいません。自分のペースでしっかり調整しています」と言う。まだまだ先の長いバスケ人生であり、オリンピックや世界への戦いが待っている。無理することなく準備万端で復帰していただき、バージョンアップした“吉田亜沙美”への期待は高まるばかりだ。
苦しい状況が続くJX-ENEOSだが、大神雄子選手や山田久美子選手らベテラン選手たちが抜け、世代交代の最中である。それは脱皮にもがく大蛇のようでもあり、恐ろしささえ感じる。一皮むけ、成長した姿を見せてくれるのはオールジャパン前かもしれないし、ともすれば今シーズン中には間に合わないかもしれない。
1リーグ制となって3シーズン目を迎えるWJBLもまた、転換期に差し掛かっている。ライバルたちにとっては、JX-ENEOSの連覇を阻止する絶好のチャンスであり、女子日本一を決める明快な争いから今後も目が離せない。JX-ENEOSの次戦は1週空き、オールジャパン前の年内最終ゲームには羽田との連戦が待っている。
【WJBL年内最終ゲーム】
2014年12月20日(土)
12:00 羽田 vs JX-ENEOS@墨田区総合体育館
13:00 シャンソン vs アイシンAW@名古屋市中村スポーツセンター
14:00 三菱電機 vs デンソー@岩手県営体育館
15:00 トヨタ vs 日立ハイテク@名古屋市中村スポーツセンター
15:00 新潟 vs 富士通@新潟市東総合スポーツセンター
2014年12月21日(日)
12:00 新潟 vs 富士通@新潟市東総合スポーツセンター
12:00 羽田 vs JX-ENEOS@墨田区総合体育館
13:00 デンソー vs 三菱電機@奥州市総合体育館
13:00 アイシンAW vs シャンソン@名古屋市中村スポーツセンター
15:00 日立ハイテク vs トヨタ@名古屋市中村スポーツセンター
JX-ENEOS以外は12月13日(土)14日(日)も試合があります。詳細はWJBLオフィシャルサイトにて。
JX-ENEOSサンフラワーズ
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泉誠一