昨シーズンまで兵庫県姫路市をホームとしていたチームは、Bリーグクラブを運営する株式会社広島ドラゴンフライズに譲渡され、新天地で再スタートを切ったばかり。移転の話を聞いて驚き、「姫路で出会ったスポンサーさんとかファンの人に会えないのは寂しい」という気持ちを抱いたという若林だが、その一方で新しい環境にワクワクしたのも確かだった。

「バスケできる環境が整うのは嬉しかったです。まだ1年目なので整ってない部分もあるんですけど、チームの代表や関係者の方が選手のことを考えて動いてくれてるので、これからどんどん良くなっていくんだろうなというのが楽しみです」
広島移転後のチームは、地元出身の上長美菜がBリーグ・ドラゴンフライズの選手と一緒にイベントに参加するなど、コート外の活動にも今まで以上に力を入れている。若林も既にドラゴンフライズのホームゲーム観戦に訪れたそうで、地域に根差したチーム作りはこれからさらに進んでいくだろう。広島には既にプロ野球とJリーグの球団があり、どちらも日本一を経験して市民の生活の一部となっている中、ドラゴンフライズも2023-24シーズンにリーグの頂点に立った。イーグレッツとしても、身近に目標ができた格好。若林も広島に移り住んで「次はバスケ、というのはめっちゃ感じます。今も広島の皆さんに応援してもらってますけど、勝ったらもっと応援してくれるかなと思うので、いっぱい勝ってドラゴンフライズみたいになりたいです」とモチベーションが上がっている。
スポーツへの注目度が高い広島では、イーグレッツも今後メディアに取り上げられることが多くなるはずだが、「確かにそうですね」と呟いた若林は、喋ることが得意ではないと自認している。その点は今後への課題であり、「しっかりできるように頑張ります。本読みます(笑)」とトップアスリートとしての自覚も増しているようだ。
日本人選手が他に仕事を持っている点は姫路時代と変わっていないが、経営面の強化に伴い、日本人選手も外国籍選手も実績のある即戦力を加えることができた。Wプレミア昇格は現実的な目標となり、若林も「それに向けて自分にできることを、コートに出た時間にしっかり出せるように毎日の練習を頑張りたい」と決意している。

最後に余談を一つ。姫路時代は遠征時の移動手段が基本的にバスであり、時には片道10時間以上かけて移動することもあったが、このユナイテッドカップは新幹線移動だった。アイシンに勝ったことで、大会2日目はENEOSと対戦。地力の差を見せつけられる結果となったが、これまでと異なるのは、試合後すぐにバスに乗り込み、拠点に向けて出発する必要がないことだった。取材対応を終えた若林は、リーグ関係者の「帰りも新幹線ですよね」という問いかけに「しかも今日泊まりです!」と満面の笑み。広島の生活環境に慣れ、運営面のサポートも手厚くなったチームには上位進出を期待して良さそうだ。
文・写真 吉川哲彦











