「怪我した時点でシーズンが難しいというのは自分でもわかるじゃないですか。なので、あとはみんなに託すしかないという気持ちで見守ってました。プレーでチームの力になれなかったのは悔しかったんですけど、自分が今までやってきた経験を伝えることはできるし、プレーできなくても何かでチームのためになることはできるかなと思って過ごしてました」
そんな若いチームだからこそ、将来性はある。この秋田銀行戦では21歳の山本雪鈴が3ポイント12本成功、38得点と大爆発。キャリアの長い根本も、「個々の能力、爆発力はみんな持ってると思うし、逆に迷ったりためらったりしたときは1人ひとりの良さを出せていないので、迷わずに自分らしくプレーしてほしい」とチーム全体のポテンシャルを信じているところだ。

そしてここからは、根本自身の存在価値をプレーで改めて証明する番。チームがまだWプレミア昇格の可能性を残しているからには、根本に寄せられる期待もより大きくなるというものだ。Wリーグに限ればルーキーコーチとなる小野寺AHCは「プレーはここ最近ライブの練習に入れるようになって初めて見た」ということだが、「他の選手にない力を持っていますし、冷静にプレーできる選手の1人。吉田選手、渡邉(亜弥)選手、小菅(由香)選手といった経験豊富な選手が試合に出ていく中で、彼女にもチャンスがある。今後チームを助けてくれる存在だと期待してます」とその実力を見込んでいる。
根本としても、小野寺AHCが志向するシステマティックなバスケットスタイルをここから体現していくことになる。その点でチームメートに後れを取っていることは否めないものの、一昨シーズンまでは不動のスターターとして、2018-19シーズンのファイナル進出の立役者の1人となり、日本代表ではアジアカップ優勝に貢献した実績もある根本なら、すぐにアジャストするに違いない。
「外で見てるのとコートの中でやるのはやっぱり違う感じもするし、龍太郎さんのバスケットは今まで教わってきた人と全然違うので、その中でいかに自分のプレーを出せるかというのは難しさがありそうだなと思いつつ、決まった動きが多いので、逆にそこはやりやすさもあるのかなという感じです。まずは龍太郎さんのバスケットをちゃんと理解して、コートに立たせてもらえるようにすること。コートに立ったら、それこそもう6試合しかないので、自分が今までやってきたことを出しきれるように、後悔なく、しっかり準備していきたいなと思ってます」
外から見ている側としては、1年を超えるブランクがあった以上、その分もキャリアを長く伸ばしたいのではないかと勝手に想像してしまうが、本人は「どうですかね(笑)。今現在は試合に出たい、バスケットしたいという想いはありますけど……終わってみないとわからないかな」と口ごもる。おそらく根本にとって最も大切なのは、今この瞬間が充実しているかどうかということなのだろう。

「年齢も年齢ですし、引退を考えることもあるんですけど、1年1年悔いなくプレーするというのは変わらない。本当にやりきったと思ったら引退すると思うし、もうちょっとやりたいと思ったら続けると思うし、どうなってもいいようにやっていきたいです」
コートを去る日はいつか必ず訪れる。それまではただひたむきに、無心にバスケットに打ち込むことが根本の性に合っているのだと理解しておきたい。そして、その想いでチームに良い影響を与え、飛躍に導くことを期待しよう。
文・写真 吉川哲彦











