Wリーグ プレミアは1月26日現在、22試合を終え、20勝で昨シーズンチャンピオンの富士通レッドウェーブが首位に立つ。3ゲーム差で追いかける2位のデンソー アイリス(17勝5敗)とともに、すでにプレーオフ進出を決めた。残る2枠のスポットを争うのは、13勝9敗で並ぶ3位のシャンソン化粧品シャンソンVマジックと4位のENEOSサンフラワーズ。5位のトヨタ自動車アンテロープス(8勝14敗)とは、5ゲーム差で引き離している。レギュラーシーズン残る6試合のうち、シャンソンは首位の富士通、そしてトヨタ自動車との直接対決を2試合ずつ残している。しばし中断期間となり、2月22日よりリーグ再開。その間、今シーズンより新設されたトーナメント、大樹生命 Wリーグ ユナイテッドカップ 2024-25 ファイナルステージが2月7日より3日間、横浜武道館で開催される。
皇后杯に続く二つ目のタイトル争い。しかし、皇后杯を制した富士通の宮澤夕貴キャプテンは「Wリーグ2連覇、皇后杯制覇の二冠を目指してがんばります」と開幕前に目標を公言する。BTテーブスヘッドコーチも、「まずは皇后杯優勝を目指す。シーズンは長いので一旦リフレッシュし、そしてWリーグ連覇」を誓った。シーズン開幕前にスタートしたユナイテッドカップだが、富士通はスーパーシードで準決勝が初陣となる。新設されたこのトーナメントの存在を忘れていたのかもしれない。ユナイテッドカップを前に、宮澤キャプテンに目標を再確認する。
「私たちは皇后杯とWリーグの二冠しか目指していないです」
「昨シーズンまでの貯金が残っている、そんなイメージ」からスタート
今シーズンすでに喫した2つの黒星は、いずれもENEOSサンフラワーズにつけられた。「ディフェンスがダメでした。そもそも自分たちのディフェンスが、ENEOSにだけ相性が良くないと感じました。それは1巡目のときも同じであり、どうアジャストして行くかが富士通の弱点でもあります」と宮澤は振り返る。首位を走る富士通だが、これまでは接戦も多い。「本当に毎週タフだなって感じています」という昨シーズン上位8チームで争われるプレミアの印象について、宮澤はこう続ける。
「毎試合集中して戦うことでチームとして上達できています。それは試合に出ていない選手も含めて、毎週の試合に向かう練習の中から成長を実感しています。若手や中堅のベンチメンバーががんばることで、チームに勢いがつきます。交代する選手と同じ役割ではなく、それぞれ自分の持ち味を出すことで勢いづかせることができます」
ディフェンディングチャンピオンとして今シーズンを迎えるにあたり、「宮下(希保)が新たに加入しただけで、ディフェンスも大きく変わることなく、昨シーズン優勝したチームからレベルを落とすこともなく、さらに積み上げて行く段階でした。昨シーズンまでの貯金が残っている、そんなイメージでした」と宮澤はポジティブに捉えていた。シーズン前には韓国と中国での国際大会に出場し、「昨シーズンあまりプレータイムがなかった選手たちを起用することができた」というテーブスヘッドコーチは経験値を上げる。2連覇、そして二冠の目標へ向け、チームの底上げが課題でもあった。レギュレーションが変わる新シーズンへ向け、「やっぱり5人だけでは勝てない。全員でがんばって行こう」と宮澤は引き締め、その成果が見え始めてきた。
「若手もがんばっていますし、一人ひとりの個人練習の時間も変わってきました。チーム練習でもワンプレー毎にみんなが上手になっているな、と感じています。それによって、チームとしてレベルアップできています」
林咲希をケガで欠きながらも、2008年以来となる皇后杯優勝。Wリーグ プレミアでは目下首位に立っている。『二冠』を明言する富士通だが、ユナイテッドカップを軽視しているわけではない。一発勝負の短期決戦だからこそ、さらなる戦力の台頭に期待し、2連覇に向かって拍車をかける。