役割は「アグレッシブなディフェンスでプレッシャーかけること」
2013-14シーズンにアソシエイトコーチとして就任後、翌年から指揮を執ってきた富士通レッドウェーブのBTテーブスヘッドコーチにとって、はじめてのレギュラーシーズン1位通過を果たした(※2016年から2シーズンはBリーグのチームで指揮)。最終節、シャンソン化粧品シャンソンVマジックとの初戦は5点差で辛勝。2戦目は最大19点リードしながら終盤に追い上げられ、なんとか70-63で逃げ切った。
「最後はディフェンスのミスが目立った。相手の3ポイントシュートが決まって、逆転されそうになった。簡単に言えば、前半は23点しか獲られていないのに、後半は40点も獲られた」と集中力を欠いたことをテーブスヘッドコーチは指摘する。過去3度ファイナルで敗れた悔しさを踏まえ、「みんなも同じようにプレッシャーを感じている。だから1位になっても、誰も満足はしていない。今日みたいな試合をしてしまえば、すぐに負けてしまうのがプレーオフ。そうならないように、自分も含めてうまくいかなかった部分を修正していかなければいけない」と続け、16年ぶりのリーグ制覇へ向けて気を引き締めた。
シャンソン戦は内尾聡菜が欠場し、代わって赤木里帆が先発を担う。11点と活躍した初戦を経て、「出だしで相手のやりたいオフェンスを簡単にさせてしまったので、しっかりアジャストをして試合に入れたのは良かったです」と迎えた2戦目。赤木がチームに求められているのは、「アグレッシブなディフェンスでプレッシャーかけること」。第2クォーターを8点に抑えた前半こそディフェンスを全うできたが、「後半は自分たちがリードしている中で、ノースリーでのディフェンスと言われていたのに簡単に3ポイントシュートを打たせてしまったことで、相手に流れを持って行かれてしまいました」と40分間を通して徹底できなかった。
7点リードしていた最後0.6秒の場面、手を伸ばした鷹のはし公歌にボールを弾かれ、赤木にターンオーバーがついた。ほぼ勝敗が決まっていた時間だったが、勝利への執念を見せた相手のプレーに対し、「ボールを保持して止まっておけば良かったのですが、少し焦ってしまいました」と赤木は振り返り、大切なことを気づかされる。
「40分間、最後まで戦い切ることが富士通のバスケです。もちろん最後のプレーも、後半にリードをしていたところを相手に流れを渡して3点差まで詰められたのも、簡単には勝てないことを教えられた試合でした。プレーオフへ向けて良かった部分はさらに伸ばし、詰めが甘かった部分など改善すべき課題がたくさん見つかったので、しっかりチームとして良くしていけるようにしたいです」
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赤木は、アーリーエントリーから数えて4シーズン目。その間も常にプレーオフへ進出してきた富士通だが、その舞台に立ったのは3試合しかなく、出場時間はいずれも5分に満たない。5位通過となった昨シーズンは、セミクォーターファイナルの日立ハイテク クーガーズ戦に3分37秒出場したが、続くクォーターファイナルのENEOSサンフラワーズ戦は出番がなかった。今シーズンはケガ人に代わって大事な場面を経験させたテーブスヘッドコーチは「チームルールを徹底し、この週末はターンオーバーも少なかった。使い続けるしかないと思ってチャンスを与え、本当にステップアップしてくれた」と評価する。