負けた試合から学べること、考えさせられること
皇后杯の成功体験について、「やっぱり自分ひとりの力では勝てないし、リツさん(髙田のコートネーム)をはじめとしたみんながいるからこそ、自分の役割をしっかり全うしてやり切ろうって思えています。頼りがいのあるチームメイトだからこそ、自分も成長し続けられているんだと思います」という木村は大会ベスト5に選ばれ、Wリーグを代表する選手の仲間入りを果たした。
東京医療保健大学では4年連続日本一となった木村にも、ウイニングメンタリティーは備わっているはずだ。しかし、最高峰リーグのWリーグは勝手が違うようであり、「大学での学びがWリーグに活かせている部分もありますが、今日のような競った試合になったときに時間の使い方や誰で攻めれば良いかなど、ガードのメンタリティーはまだまだ自分には成長できるところがたくさんあると思っています」と木村は述べ、その分余白は多い。
「負けた試合からも学べることはたくさんありますし、いろいろ考えさせられます。これまでの負けは絶対に無駄になっておらず、負けても必ず成長できています。逆に、勝った試合はもちろんうれしいです。その両方の経験を糧に、ガードとしてチームをコントロールできるようにしていきたいです」
ENEOS戦では、白鷗大学出身でひとつ下のルーキー鈴置彩夏とのマッチアップが見られた。「大学時代も大事な舞台で一緒に切磋琢磨してきたので、Wリーグでまた対戦できることはすごくうれしいです。自分もがんばらなければいけないって刺激ももらえますし、まだまだ負けてられないなという気持ちもあります。お互いに成長できるようにがんばっていきたいです」とエールを送り、この二人の対戦を今シーズン中もまだまだ見ていたい。
次節(3月16日・17日)は、ホームのウィングアリーナ刈谷に姫路イーグレッツを迎えるレギュラーシーズン最終戦。4位のデンソーの上には1位トヨタ自動車、2位富士通レッドウェーブ、3位ENEOSがいずれも21勝3敗で並び、その3チームとのゲーム差はたった1しかない。直接対決はいずれも1勝1敗だが、トヨタ自動車と富士通には得失点差で上回っており、2年連続首位通過の可能性も残っている。その先にある悲願の初優勝を掴むためにも最終戦を2連勝で終え、ウイニングメンタリティーを高めていくことが欠かせない。
文・写真 泉誠一