東京羽田の最後の6試合は、全て大田区総合体育館でのホームゲーム。昨シーズン、岡田はアウェーチームの一員としてこの体育館で試合に臨み、試合終了間際の逆転3ポイントで敗れる経験をしている。東京羽田が持つホームコートアドバンテージについて問うと、岡田は「本当にすごいです」と感心しきりだ。
「競ってるときほど、プレー1個1個に対してのヴィッキーズファンの反応がすごくて、自分たちがミスしたらすごく喜ぶし、圧を感じました。本当に人数も声も全部圧倒されながらプレーしてたというのが印象に残ってて、それが当時は嫌な印象としてあったんですけど、今はそれが自分の味方なんだなと思うと心強いし、力になるのでありがたいなって思います。最後の3週をホームで終われるというのも嬉しいというか、すごくありがたいことなので、最後の6連戦は全部勝って、このチームでやってきたことを出しきれればいいなと思ってます」
ホーム6連戦はまず姫路イーグレッツに連勝し、翌週のプレステージインターナショナル アランマーレ戦も第2戦をオーバータイムの末に勝ちきり、4連勝まで伸ばした。その中で岡田の出場時間は思うように伸びず、自身も「シーズン中にはベストパフォーマンスにもっていけない可能性のほうが高いですけど(笑)」と苦笑いするが、「でもやっぱり、最後は良いプレーをして終われたらと思います」と最終週の山梨クィーンビーズ戦にフォーカスする。
「短いプレータイムの中で自分の仕事をしっかりやらないといけなかったんですけど、あまり表現できなかったかなという反省はあります。コートに立ってるときに、短い時間でも自分がやらなきゃいけない、任された仕事をこなしていけるようにしたいです」
チームに合流した当初、岡田はバスケットの面で自身に合うスタイルに良い感触を得たと同時に、チームの雰囲気に関しても「ビックリするくらい良い」と感じたという。外から見て感じていた団結力を中に入って体感し、「みんながみんなを見てる。本当に良いチームだなって最初も思ったし、今も思ってます。良い人しかいない(笑)」とまで言いきる。だからこそ、このチームで戦うことの重みを今最も強く感じているところだ。
「シーズンが始まってすぐにチームに合わせられるようになってきて、私自身バスケをしてて楽しかったし、ダメだったときにみんなで集まって話し合って、良くしていこうっていう雰囲気にもっていくのは、羽田だからこそのものがあるなと思いました。あと少しで終わるのが悲しいんですけど、このメンバーでできるのも山梨戦で最後だし、今はこのチームでもっとバスケしたいなという想いが一番なので、最後まで楽しくやりきりたいです」
プレーオフ進出と来シーズンの1部参入が叶わなかった東京羽田にとって、今の最大のミッションはホーム6連戦を全て勝ってシーズンを締めくくること。移籍で自身の持ち味を発揮し、チームやファンの期待に応えながらも、無念の長期離脱を強いられた岡田は今、その想いを人一倍強く抱いている。
文・写真 吉川哲彦