14チーム中12チームが代々木第二体育館に集結したWリーグ第9週で、山梨クィーンビーズは昨シーズンレギュラーシーズン3位の三菱電機に挑んだ。1月4日の第1戦は、第1クォーターに13-24と先行を許したものの、その後ビハインドを3点まで縮めて折り返し、後半はリードチェンジを繰り返す一進一退の攻防。終盤は両者ともに得点が止まる中、最後に三菱電機に一歩抜け出されてしまい、山梨は63-68と5点及ばず白星を逃す結果となった。
スターターを務める宮坂桃菜が悔やんだのは、試合の立ち上がりで後手に回ってしまったことだ。しかし、そのまま引き離されかねない場面で我慢を重ね、劣勢を跳ね返して接戦の展開に持ち込めたことは収穫だった。
「3ポイントを立て続けに入れてきたこともそうだし、最初からゾーンディフェンスをやってくるというのは予想してなくてビックリしました。そこでちょっとリズムが取れないで、最初から流れが相手に行ってしまったのが、スタートとして出てる身としては良くなかったなと思います。でも、次に出てくる選手たちが流れを戻してくれて、そこはチームとして戦えたと思いますし、みんなの自信になったと思います。
私たちは三菱さんに対してチャレンジャーの気持ちでやらないといけないし、だからといって落としていいわけじゃないし、勝つチャンスがあればそれを見ておかないといけない。今日はそれをみんなで認識できたし、サチさん(石川幸子ヘッドコーチ)がプレーのところで明確に指示を出してくれて、私たちはそれを表現できたから、ああいう試合に持っていけたのかなと思います」
今シーズンは三菱電機の勝率が伸びていないとはいえ、これまでの両チームの実績や経験値を考えると、三菱電機に分があるのは確かだ。宮坂が挙げた立ち上がりもさることながら、最後の1分という最も大事な時間帯で遂行力の差が出てしまったのは、勝つチャンスが十分にあっただけに悔やまれる。勝ち慣れていないチームの課題を改めて突きつけられた格好だが、山梨が上位進出を目指してチーム作りを進める中では、これも必要な過程ということになるだろう。
「HCも含めてメンバーがガラッと変わって迎えたシーズンで、競る試合もあまり経験できてないというのもあるし、そこは経験の差と言ったらそれまでなんですけど、負けたことが悔しい中でも良い経験にはなったと思うし、今後には絶対につなげられると思うので、同じような展開になっても今度は最後に勝ちきれるチームになるように、しっかり準備していきたいです」
今シーズンの山梨にとっては、新しいHCを迎えたという点も重要なポイントだ。現役時代に日本代表でもプレーした石川HCの標榜するバスケットは、チームにとっても、自身にとってもプラスになっているという実感が宮坂にはある。
「当たり前のことを当たり前にやれるように、考えながらプレーするのがサチさんのバスケットなんですけど、それって意外とできなかったりするものなんですよ。サチさんはそこを細かく指導してくれて、実際に試合でやると使えるんです。やっぱり基本は大事だし、まだ1年経ってないんですけど手応えを感じてるので、サチさんのバスケットをまだまだやりたいなと思ってるところです」