Wダブルの計画的活躍!?で自らセレブレーション
開幕から1ヶ月が経過したWリーグにおいて、無傷の10連勝はトヨタ自動車アンテロープスのみ。この週末の2戦が行われる前までは、富士通レッドウェーブとENEOSサンフラワーズも無敗を誇っていた。しかし、11月11日に富士通がデンソー アイリスに、翌12日にはENEOSがシャンソン化粧品シャンソンVマジックに敗れ、それぞれ9勝1敗とはじめて黒星がついた。
前節でシャンソンに敗れたデンソーにとっては、負けられない富士通との上位対決。「特に初戦は勝ちに行く気持ちが強かったです」と髙田真希は、リーグ通算400試合目に臨む。「記録達成をすることは分かっていたので自分の記念すべき日に、自分の力だけではないですけど勝利に導くことができて良かったです」と25点・11リバウンドのWダブルをマークする計画的活躍!?で73-59と快勝し、自らの記録に華を添えた。
髙田に続き、馬瓜エブリンが16点、木村亜美は9点・9アシスト、赤穂ひまわりは13リバウンドを獲ってチャンスをつなぐ。ベンチメンバーの渡部友里奈は7点を挙げ、大事な場面でリバウンドを拾ってチームに勢いを与える。「いろんな選手が活躍できるのが今のチームの特徴」と髙田が誇らしく語るとおりの勝利だった。
同じ週、8年目のBリーグでは、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)が400試合出場を達成。60試合と長丁場のBリーグとは違い、1シーズン26試合、プレーオフを含めても30試合強のWリーグであり、髙田の400試合達成は16シーズンにわたって試合に出続けてきた大記録である。
現役復帰したアイシン ウィングスの吉田亜沙美が414試合で先を行く。髙田自身は、「記録は後からついてくるもの。これからも変わらず、1試合1試合に全力を出すことを心がけています。最終的に結果としてどうなるかは分からないですが、これからも一つひとつ積み上げていきたいです」と一夜明けた第2戦も変わらずコートに立ち、401試合へ更新。しかし、結果は59-62で富士通に敗れ、1勝1敗の痛み分けとなった。
仲間を活かすコンビネーションプレーで台頭するジョシュア テミトペ
通算5年以上日本国に在留している留学生(外国籍選手)が台頭しはじめている。400試合の歴史を知る髙田にとっても、「国際試合に近いものがあります」というWリーグの変化を感じていた。
「今までは、どちらかというと自分が1番大きいことが多くありましたが、近年は自分よりも大きい選手をマッチアップする機会が増えてきており、その意味では日本代表と変わらない試合ができています。国際試合を自分はたくさん経験してきた中で、これまでは国内での戦い方を少し変えていた部分がありました。でも、今はそこまで変わらずに、国際試合をイメージしながらリーグ戦でもプレーできています。リーグ全体のレベルがすごく上がっていますし、自分自身もこのままではいけないという思いにさせてくれます。それらが刺激となって自分自身も成長できます」
前節のシャンソンにはイゾジェ ウチェ(188cm)とトラオレ セトゥ(190cm)の2人を擁し、富士通には昨年の大学チャンピオンである東京医療保健大学出身、MVPに輝いたジョシュア ンフォンノボン テミトペ(190cm)と髙田よりも大きな選手とのマッチアップが続く。デンソーにもバイ クンバ ディヤサン(187cm)がおり、「練習では気を抜いてしまうとリバウンドを獲られたり、やられてしまったりすることがあります」と、日頃から国際基準に近い環境をメリットとして捉えている。