年明けの恒例となった感のある、代々木第二体育館でのWリーグレギュラーシーズン集中開催。2024年は14チーム中12チームが集い、1月2日から5日までの4日連続で熱戦が展開された。
そのトップバッターを務めたのはトヨタ紡織サンシャインラビッツとアイシンウィングス。対戦前の時点でトヨタ紡織が6位、アイシンが8位と順位は接近していたが、成績はトヨタ紡織の10勝6敗に対してアイシンが6勝10敗とやや開きがあった。それでも、アイシンは連勝すれば2ゲーム差に迫ることができたのだが、1月2日の第1戦は第1クォーターで22-14と先手を取りながら、第2クォーターに32失点を喫したのが響き、アイシンは敗れている。
今シーズンのアイシンは吉田亜沙美に加えて野口さくらも補強し、Wリーグファンを驚かせた。しかし、プレーオフ圏内に入っているとはいえ、思うように星を伸ばせていない印象は否めない。そんな中で、吉田と野口はもちろんのこと、2人と同様に移籍加入した飯島早紀の奮闘は光っている。ベンチスタートのこの日も飯島らしいアグレッシブなプレーを披露し、いずれもチームハイとなる19得点6リバウンド3スティール。しかしながら、勝利という結果に結びつかなかったことで、飯島は反省の弁が先に立つ。
「途中から出ていく以上、流れを断ち切るというのもありますし、チームをリズムに乗せるという仕事もあると思うんですけど、今日はそれができなかった部分がありました。自分がもっとペイントアタックをして、40分間勢いのあるプレーができるようにしないといけないなと思います」
飯島といえば、新潟アルビレックスBBラビッツ時代の2018-19シーズンに、並み居るトップディフェンダーを押しのけてスティール王のタイトルを獲得している。ディフェンスが自身の武器であることを自覚し、アイシンでも「みんなからディフェンスを期待されてると思うので、相手のリズムを止めてそこから自分たちのリズムを作りたい」とその役割を心得ている。
特にこの日は昨シーズンまで在籍した古巣が相手ということで「強気にいこうと意識した部分はもちろんあります」と言うが、この日はチーム全体で第2クォーター以降のディフェンスのプレッシャーが甘く、大量失点につながってしまったことを悔やみながら「どの相手にも同じ力を出せる選手が強い選手だと思うので、得点もそうですけどディフェンスで常に力を発揮できるようにするのが自分の仕事かなと思います」と語り、改めてチームへの貢献度を高める意志を示した。
チームの現状については、周囲の期待も感じつつ、その期待に応えるだけの地力がまだついていないという感触を持つ。自身の貢献度も「まだまだです」と満足していないが、トヨタ紡織というプレーオフ常連チームで過ごしてきた飯島から見ると、アイシンはまだチームとしての課題が山積している状況だ。
「上位チームとの試合の中でも、点数だけ見れば1ケタ点差の試合もあって、周りからは惜しいって言われることもあるんですけど、正直に言うと点数以上の差はあるのかなというのは感じていて、プレーオフに行くためにはチームとしてそこを受け入れないと残りの試合も勝ちきれないし、プレーオフに行っても上位のチームに勝っていくにはその差を埋めていかなきゃいけないと思います」