良いところが見えた2連敗。納得がいかなかった6連勝
昨シーズンのWリーグ準優勝チームである富士通レッドウェーブは6連勝を挙げ、現在3位(※1月22日現在)。年末年始のデンソー アイリス戦で2連敗したが、その後の6連戦をすべて勝つ目標を掲げ、突っ走ってきた。新規参入の姫路イーグレッツ、最下位の新潟アルビレックスBBラビッツ、そしてアイシン ウイングスに取りこぼすことなく勝ち星を積み上げ、目標達成。6連勝目のアイシン戦後、「内容どうこうではなく、一応勝てたってことは良かったのかな」という町田瑠唯のコメントは、どこか歯切れが悪い。翻って、2連敗したデンソー戦に時計を巻き戻せば、前向きに振り返る。
「デンソー戦は負けてしまいましたが形としては良いところも見えて、メンバーが少ない中でも戦えていました。若い選手たちにとっても自信につながった部分があり、そこから少しずつ成長してきているのが大きいと思っています」
アイシンとの2戦目は81-48と33点差をつけ、数字だけを見れば圧勝である。しかし、立ち上がりから初得点を決めるまでに3分22秒かかり、続く第2クォーターも3分ほど無得点が続いた。司令塔の町田が首をかしげるしぐさが目立つ。平均9.8点、姫路戦まで6試合連続二桁得点を続けていたが、「ここ2試合は点数も全然取っていないし、ちょっとターンオーバーが多く、あまりチームを引っ張ることもできていなかったです」と自らのパフォーマンスに納得がいかない。アイシン戦ではベンチスタートの岡田英里が19点、赤木里帆も14点でチームを勢いに乗せ、彼女らの活躍が33点の差をつけた。
ケガ人の復帰、若手の台頭、新戦力がフィット「全員が揃ったときにすごいプラスになる」
今シーズンのこれまでを振り返れば、開幕直前にアメリカ帰りの町田が合流し、代わってオコエ桃仁花がギリシャリーグへ移籍。キャプテンの宮澤夕貴と藤本愛妃など相次いでケガに見舞われ、インサイドが手薄となってしまった。幸い、年明けより190cmのジョシュア ンフォンノボン テミトペがアーリーエントリーで加入。6試合を経て平均16.3点、11.2リバウンドのWダブルをマーク。半分の3試合が20点越えの活躍を見せている救世主だ。篠原恵氏引退以来の主力センターの加入に、「すごい強みになるなと感じています」と町田は歓迎する。一方で、速攻やアウトサイドシュートを武器として積み上げてきた「富士通らしくないバスケットも少し増えてしまっているので、そのバランスをしっかり取るためにもこれから練習していかなければいけません。まだ、うまく合わせられていないと感じています」と課題もある。