現役時代と変わらぬプレーで魅了した引退選手による「LAST GAME」
トヨタ自動車アンテロープスが満員の代々木第1体育館で、Back to Back(2連覇)を飾った今シーズンのWリーグ。コロナ禍により延期となった「Wリーグオールスター 2021-2022 in 代々木」がゴールデンウィークの最中に開催。オフに突入してから行われたレアケースではあったが、ファンにとってはスペシャルなオマケのような2日間となった。
ルーキーと20歳以下の若手選手を含めた総勢28名による「フレッシュ☆オールスター」は、出身地によって分けられた東西対抗戦。10分ハーフの前半はフレッシュEASTチームが18-11と先行する。しかし、後半はフレッシュWESTペースに風向きが変わり、勢いそのままに35-22で逆転勝利。次々と3ポイントシュートを沈めたフレッシュWESTの赤木里帆(富士通レッドウェーブ)がMVPを受賞した。
「Wリーグ 3×3 ベストオブベスト オールスターマッチ」は東京2020オリンピックを盛り上げた女子3×3日本代表と、急造チームのWリーグ オールスターズが対戦。ルールやボールの違いにもすぐさまアジャストしたWリーグ オールスターズが奮闘し、息をもつかせぬ展開となる。最後は宮坂桃菜(新潟アルビレックスBBラビッツ)が2ポイントシュート(※5人制の3ポイントシュート)を決め、20-19で女子3×3日本代表を相手にWリーグ オールスターズが番狂わせを起こした。
1日目のクライマックスは、コロナ禍でシーズンを全うできずに終えた2年前、そして昨シーズンに惜しまれながら引退した選手たちが、「このままでは終われない」とコートに戻ってきた「LAST GAME」。現役時代と変わらぬプレーでファンを魅了していく。5月2日に誕生日を迎えたばかり、24歳とまだ若い佐古瑠美(デンソー アイリス)が次々と3ポイントシュートを決める活躍もあり、Team 渋谷OGが33-29で勝利した。7分ハーフにも関わらず、ルーキーたちよりも多くのシュートを決めた圧巻のパフォーマンスはまだまだ見ていたい。ファンとともに、現役選手たちとも最後の交流を図る素晴らしい機会となった。
篠崎澪vs三好南穂の引退選手同士がガチンコ1on1
2日目は各種コンテストが行われ、本川紗奈生(デンソー)が29秒48の記録で、2年ぶり4回目のスキルズチャレンジを制した。3ポイントシュートは山本麻衣(トヨタ自動車アンテロープス)と宮澤夕貴(富士通)がともに12点で並び、優勝決定戦へ。ファイナルと同じくトヨタ自動車の山本が上回り、今大会最高の15点を記録し、初の栄冠に輝いた。
メインイベントのオールスターゲームでは、引退を表明した篠崎澪(富士通)と三好南穂(トヨタ自動車)に注目が集まる。三好はシーズン中に発表していたが、5月2日に引退を明かして驚かせた篠崎を見納めようというファンも多く、用意されたTシャツは本戦を迎える前日に売り切れてしまったそうだ(※受注生産のためオンラインショップで引き続き販売中→https://otcmembers.sakura.ne.jp/onlineshop/)。