東京オリンピックでは、「ステ(馬瓜ステファニー/トヨタ自動車)やモニカ(オコエ桃仁花/富士通)、ひま(赤穂ひまわり/デンソーアイリス)たちがすごくがんばっていて、見ているだけで活力になりました。自分もがんばらなければいけない、と本当に思いました」と同世代の活躍にも刺激を受けた。
ケガから復帰し、最初のタイトルとなる皇后杯では前人未踏の9連覇を達成。ともにリハビリを励んできた渡嘉敷、高田静と「3人一緒にコートに立てたことが一番うれしかったし、さらに優勝できたことが本当にうれしかったです」という梅沢は、顔をほころばせる。昨シーズンは10試合に出場し、平均17点・9.4リバウンドとキャリアハイを更新する活躍を見せていた。その数字が基準となり、それ以上の活躍が本当の復活を意味する。1月9日の日立ハイテク戦では23点をマークし、その兆しが見えている。
11連覇してきたWリーグチャンピオンの座を、昨シーズンはトヨタ自動車アンテロープスに明け渡す屈辱を味わった。そのトヨタ自動車には今シーズン2連敗を喫し、すでに3つの黒星を数える。レギュラーシーズンで3敗以上したのは、6年前の2015-16シーズンまで遡らねばならない(20勝4敗)。昨シーズンは力になれなかったからこそ、今シーズンに懸ける思いは人一倍強い。「絶対に勝たなければいけない。本当にがんばらないといけないし、疲れたなんて言っていられない」と梅沢は言い、常勝軍団としての使命がある。肩で息をしながら、相手よりも少しでも前に出るため懸命に走る梅沢の姿に鬼気迫るものを感じる。
「ディフェンスをもっとがんばらなければいけないですし、リバウンドやルーズボールがまだ弱い部分があります。チームで協力しつつ、ENEOSらしい走るバスケットをもっともっと出さなければならないです」
文・写真 泉誠一