集中力が切れる4クォーターの課題
残り10秒を切り、シャンソン化粧品シャンソンVマジックの小池遥が逆転を目指してゴールへアタックする。しかし、トヨタ紡織サンシャインラビッツの白慶花の高さに阻まれる。そのリバウンドに佐藤由璃果が絡み、ルーズボールをつかんだ野口さくらが、逆サイドでノーマークとなっていた小池へふたたびボールを託す。残り0.9秒、右サイドから小池が得意のジャンプシュートを決め、68-67。終了のブザーとともにシャンソンの選手たちがコートへなだれ込み、歓喜の瞬間が訪れた。
第4クォーター終盤に相手とのコンタクトによってみぞおちを打ち、苦悶の表情でベンチに下がる𠮷田舞衣。最後の場面でコートに立てなかったが、3ポイントシュートを6本を含む25点を挙げてキャリアハイを更新。「何よりも勝てて良かったです。それが一番でした」と安堵し、笑顔で仲間たちを迎えた。
昨シーズンからアーリーエントリーとして大塚羽未、金田愛奈、佐藤、そして𠮷田の4人がシャンソンに入団。初戦となった昨年2月13日の富士通レッドウェーブ戦から佐藤とともにスタメンで起用され、14得点を挙げる華々しいデビューを飾る。翌日はゲームハイとなる20点をマークした。入団から1年が経過した今、「まだまだ課題ばかり」というルーキーは、「アジャストされていることに対しての対応力は、もっともっと自分に身につけていかなければいけないところ」と挙げた。はじめて対戦するチームもあり、勝っても負けても1戦1戦成長していくだけである。1戦目で得た情報をもとに、「ただただ戦うだけではなくて、オフェンスもディフェンスも相手がどう対応してくるかを考えながら、試合中も相手のプレーを見ながら、常に感じながら戦っています」と準備し、課題克服を目指す。
今節のトヨタ紡織戦では、初戦は第3クォーターまで拮抗した試合をしながら、最後に引き離されてしまった。勝ち切った2戦目だったが、第3クォーターを終えた時点で13点リードしていた。今シーズンを通して、第4クォーターに10点差をつけられるケースも多い。「後半は集中が切れてしまったり、チームプレーが乱れてしまう時間帯が多いと感じています」と𠮷田もチームとしての課題を挙げた。
「今日は勝てたので良かったですが、これがプレーオフだったらもう負けられません。残る試合は点差や勝ち負けに関係なく、40分間集中を切らさずに、そんな状況のときこそみんなでコミュニケーションを取りながら戦っていきたいです」