無敗のデンソーからもぎ取ったプレーオフにつながる貴重な1勝
新体制となり、本橋が本調子ではない状況ゆえに、種まきのシーズンと割り切ることもできる。萩原ヘッドコーチは「マネしたわけではない」と否定したが、小さくても世界を驚かせた女子日本代表のスタイルに似ている。昨年まではアンダーカテゴリーの女子日本代表を率い、数々の世界大会に挑んできた萩原ヘッドコーチにとっては当然のスタイルと言える。3ポイントシュートとペイントアタックを得点源とし、守ってはヒットファーストでフィジカルディフェンスを見せる。デンソー戦は、しっかり身体を当てていながらも、チームファウルを9つで凌いでいた。その成果ややりやすさを本橋も実感している。
「毎試合ディフェンスに関しては、相手の特徴を捉えています。デンソー戦は、インサイド陣のポストアップで失点されるのがすごく恐かったので、そこを意識したディフェンスを徹底してきました。今日の試合では、簡単にポストアップされることもなかったですし、練習してきたことが結果として試合につながることも見えています」
翌日の2戦目は、全勝だったデンソーを79-74で破り、今シーズン2勝目を手にした。1月2日時点、8位につけるアイシンウィングスは4勝であり、目標として掲げるプレーオフ圏内も手が届くところにある。
「プレーオフは常に意識して、どのチームからも勝利をもぎ取っていきたいという気持ちはあります。ただ、1勝1勝も大事ですが、結果だけにこだわらず、勝てなかったとしても内容にしっかりこだわっていけば自ずと最後には結果がついてくるかなと思っています。目先の勝利にこだわらず、一つひとつ大切に戦っていきたいです」
次戦1月7日(金)・8日(土)は、開幕戦以来となる大田区総合体育館でのホームゲームを迎える。ファンにとっても、楽しみにしているはずの “ナコタイム“ (※このイントーネーションについては、本橋も出演している本麒麟のCM動画参照:https://youtu.be/C1C5cQw6ZCk)。
「個人的には、短い時間帯でも試合に出たときは勝利に貢献できるようにすることはもちろんですし、チームとしても練習してきたことや自分たちが目指すバスケットを40分間どんなときでもやり通せるようにしたいです。次戦は特に勝ちたいゲームなので、そこの2勝をしっかり勝ち獲り、プレーオフに向けてここからスタートダッシュではないですが、良い弾みをつけたいです」
文・写真 泉誠一