平均11.8点と躍進する佐坂樹が先発デビュー
開幕から4試合を終えた時点で、トヨタ紡織サンシャインラビッツの佐坂樹は平均11.8点を挙げていた。ルーキーだった昨シーズン、出場機会はたった6試合、平均10分に満たないプレータイムだった。今シーズン5戦目(11月5日)の富士通レッドウェーブ戦で、白慶花に代わって先発デビューを果たした。
佐坂の先発起用について、知花武彦ヘッドコーチは「相手のトランジションに対して、ディフェンスのピックアップをより早くしたい」という考えがあった。「3ポイントシュートがあり、ドライブもできるという得点面」にも期待を寄せる。23分35秒出場した佐坂は、10本のシュートを放った。しかし、1度もネットを揺らすことはできないまま、57-71で敗れている。
「自分から攻める気はありました。でも、それ以上に相手のディフェンスのローテーションが素早くて、攻められない部分がありました」という佐坂は無得点に終わった試合を振り返る。知花ヘッドコーチも「今日はしっかり富士通がアジャストしてきて、止めるべきところとドライブしたときの寄りが早かった」とその原因を挙げた。昨シーズンたった6試合しか出場していない佐坂を止めるために、負けなしの富士通が対策してきたことこそが、彼女の躍進を裏付けている。
ヘッドコーチが代わり、チームのスタイルも変わった今シーズンは「プレーがしやすくなった」と佐坂は歓迎する。パワーフォワードとして、個人の役割は変わらないが、「昨シーズンよりもチームプレーが多くなり、より組織的にバスケットをしている感じが出ています」という要因により、これまでの4試合はスタッツに残る活躍を見せた。178cmの佐坂がインサイドの要となる小さなトヨタ紡織にとって、チームで組織的に守ることが不可欠である。敗れたデンソーアイリス戦は80点オーバーの失点を許し、追い上げを見せた富士通戦だったが逃げ切られてしまった。それでも佐坂は、「大きい相手にもチームで守ることでスティールできたり、ゾーンディフェンスでもプレッシャーをかけて守れたり、ディフェンスが機能しているという実感はあります」という手応えを得ている。
逆に、無得点に終わったオフェンスについては、「個人的なスキルとして足りない部分がまだまだあります」。経験豊富な大きな相手に対し、「インサイドを固められたことで、シュートのリリースがいつもよりも速くパッと離してしまうことがありました。そこは最後まで、フィニッシングを強くできるようにしたいです」と試合を積み重ねながら、成長していくしかない。