オリンピアン4人を擁する富士通レッドウェーブが開幕戦勝利
アイシンウィングスが新潟アルビレックスBBラビッツに2連勝し、Wリーグが開幕。1週間遅れで、オリンピアン&アジアカップ5連覇を成し遂げ、明るい話題を振りまく今シーズンの主役たちが登場。チケット完売の大田区総合体育館には、開場前から長蛇の列ができていた。
富士通レッドウェーブには町田瑠唯、オコエ桃仁花、3×3女子日本代表の篠崎澪、さらにENEOSサンフラワーズから移籍してきた宮澤夕貴と4人のオリンピアンを揃える。対するホームの東京羽田ヴィッキーズの本橋菜子は、前十字靭帯損傷の大ケガから完全復帰とはならず。萩原美樹子ヘッドコーチは「年明けくらいまでに100%で戻ってきてくれれば良い」と途中出場で起用。12分間コートに立ち、1年ぶりにファンを迎えたホームゲームで元気な姿を見せてくれた。
体格差で上回る富士通が、インサイドを攻めたことで点差が開いていく。オリンピックに続き、アジアカップでも活躍したオコエは、帰国後の隔離期間を終えてチームに合流したのはなんと前日だった。そのオコエがゲームハイとなる15点の活躍で勝利に導き、この日のMVPを受賞。76-48と28点差をつけ、富士通が開幕戦を飾った。しかし、その内容は快勝とは言えず、BT・テーブスヘッドコーチ曰く「フラストレーションが多い試合だった」。
「相手のボールムーブやしつこいアタックに対し、ディフェンスを破られるシーンも多かった」と反省点を挙げる。宮澤、同じくENEOSから移籍してきた中村優花、1日しかチーム練習ができていないオコエ、さらにコロナ感染によってオータムカップ欠場など準備不足は否めない。「サイズアップした富士通に対し、それをどう生かせるかどうかが僕の課題。練習回数はまだ少ないが、今シーズンは、勝ちながら徐々に課題を乗り越えてがんばっていきたい」という指揮官の言葉に、今シーズンへの期待と自信が感じられた。
サイズアップした富士通だが、183cmと先発メンバーでは一番大きな宮澤が試合開始のジャンプボールを託す。練習試合から担ってきたが、当初は「私がやるの?」とソワソワしていたそうだ。188cmの栗林未和の復帰も待たれるが、ENEOSとは違ってセンターらしいセンターがおらず、「例えば、コーナーで待つようなバスケはできない」とテーブスヘッドコーチは言い、宮澤自身も納得している。ポストプレーのスキルアップにも時間を費やし、これまで以上にオールラウンダーとして期待される。
東京オリンピックを見て興味を持った新たなファンにとっては、宮澤の代名詞である3ポイントシュートを期待していたはずだ。開幕戦では6本放って、1本成功。第4クォーター残り7分37秒、待望の3ポイントシュートを決めた。確率が低かった点を反省しつつも、「シュートは打てていたので、思い切ってしっかり打って、明日につなげていきたいです」と調子を上げ、試合を重ねるごとにファンを楽しませてくれるはずだ。