東京オリンピックで史上初となる銀メダルに輝いた興奮をそのままに、Wリーグ オータムカップ2021 in 高崎が開催された。Wリーグの11チーム(※ENEOSサンフラワーズと富士通レッドウェーブは辞退)に社会人リーグから4チームを加え、さらに初日のみアジアカップ(9月27日開幕)に臨む女子日本代表も参戦し、16チームが2つのトーナメントに分かれて腕試し。Aブロックは昨シーズンのチャンピオンであるトヨタ自動車アンテロープスが、Bブロックはトヨタ紡織サンシャインラビッツがそれぞれ制し、幸先の良いスタートを切った。
「新鮮な感じがしました。やっぱり楽しい」馬瓜ステファニー
今シーズンのトヨタ自動車は、三菱電機コアラーズから川井麻衣、アイシンウィングスから宮下希保と梅木千夏が移籍してきた。ご存じのとおり、長岡萌映子、三好南穂、馬瓜エブリン、馬瓜ステファニー、山本麻衣と5人ものオリンピアンを擁し、リーグ屈指の選手層の厚さを誇る。
昨シーズンのプレーオフMVP、安間志織はドイツへ渡り、ブンデスリーガのアイスフォーゲル USC フライブルクでプレーする。その穴を、準決勝のシャンソン化粧品シャンソンVマジック戦、決勝では古巣の三菱電機を相手に、川井はいずれも4アシストを記録し、二桁得点を挙げて存在感を見せた。多くの選手が代表活動で抜けていたため、ようやくチーム全員揃ったのが9月3日(金)の午後だった。翌日、フルメンバーで迎えたシャンソン戦を終え、「逆に新鮮な感じがしました。やっぱり楽しいです」と喜んでいたのは馬瓜ステファニーである。
準決勝と決勝はいずれも1ゴール差の接戦を制し、地力を見せる。「しっかり勝利をものにできたことは、良い経験になりました。しかし、なかなか自分たちのリズムでバスケができていないので、そこが課題です」と三好南穂が言えば、馬瓜エブリンも「昨シーズンとはメンバーが変わっており、もう少しプレーやそれ以外のところでもフィットする部分をもっともっと探していかなければいけない」と続け、まだまだチームケミストリーは高まっていない。逆に、そこが合わさってくれば、二連覇へ向けて視界が開けていく。
移籍組、オリンピアンがひしめくトヨタ自動車だが、大黒柱の河村美幸にも成長が見られた。大会前日に行われた女子日本代表戦を含めた4試合で、3ポイントシュートを毎回1本放ち、シャンソン戦以外は100%で決めている。昨シーズンは23試合中2本しか放っていない。最多となる2017-18シーズンに17本(1試合平均0.5本)を放つも2本しか成功させていない(11.8%)。新シーズンへ向けてレベルアップした姿を見せた河村キャプテンが、タレント軍団をしっかり引っ張っていた。