── 先ほどのディフェンスリバウンドと同じように、そうやってオフェンスリバウンドに入っても、取れないときがあります。
髙田 切り替えなきゃいけないですね。たとえば今のような場面なら「ごめん、自分がもう一回リバウンドに入るから、どんどん打っていいよ」って伝えます。また相手に取られてしまっても、バスケットって流れがあるので、リバウンドから一気にファストブレイクをやられてしまうことがあります。そこはすぐに切り替えて、ボールにプレッシャーをかけたり、ディフェンスに戻らないといけない。またオフェンスリバウンドを取りに行くことによって、相手に簡単にリバウンドを取らせないことにもなります。チップができるかもしれないし、ディフェンスがリバウンドを取っても、近くに相手がいれば簡単にファストブレイクを出せなくなるので、そういう意味でもオフェンスリバウンドに入ることは重要ですね。
── たとえ取れなくても、リバウンド争いから次のディフェンスが始まっていると。
髙田 そうですね。オフェンスリバウンドに関しては中途半端が一番ダメです。行くならしっかり行く。相手がボックスアウトをしてくるくらい行くし、行かないならしっかりセーフティーで、3ポイントラインなり、センターラインなりで構えて、相手の次の攻撃をしっかり待たないといけません。そこはチームのルールがあると思います。中途半端にオフェンスリバウンドに行かないと、相手が簡単にリバウンドを取って、ファストブレイクにつなげやすい。そういった意味でもオフェンスリバウンドは大事です。
日本屈指のオールラウンダーである髙田は、さまざまな攻撃パターンから得点が取れるし、強度の高いディフェンスもできる。そうしたさまざまなスキルの中でも髙田はリバウンドを、自身のプレーの中心に置き、それを原点とも言っている。
「バスケットを始めたときはリバウンドしかできなかったんですよね。得点も自分から取りに行くというよりは、オフェンスリバウンドから点数を取ることから始まっているんです。今みたいに最初からいろんなプレーで得点が取れていたわけではないんです。リバウンドからのシュートは一番簡単に得点が取りやすいし、そこから自分は始まっているので、それくらい自分は大切にしています」
髙田のコートネーム「リツ」も「リバウンドをつよく」から生まれている。自らのルーツとも言うべきリバウンドで、今シーズン動いたWリーグの歴史をもう一転がりさせられるか。世界をあっと言わせられるか。求道者リツの戦いは続く。
デンソーアイリス #8 髙田真希
求道者リツのリバウンド論
前編 https://bbspirits.com/wleague/w21041301/
後編 https://bbspirits.com/wleague/w21041401/