183cmの鈴木知佳が一番大きく、唯一の180cmである。対するトヨタ自動車は185cmの河村美幸を筆頭に、180cm台はロスターの半分となる6人を揃える。リバウンド数こそ上回れなかったが、それでもチーム全員でボールを追いかけていた。藪内ヘッドコーチは様々なボックスアウトのドリルを課してきた。「それでもゲームの場面ではリバウンドを獲られてしまったり、ファウルになってしまうことがあり、そこで勝負が左右することは何回もあります。リバウンドがチームの弱点であり、これからも徹底していかなければならないです」とシーズン中も改善しながら、身長差を補う準備を怠らない。
みんなで意見を出し合える環境が強み
富士通戦を終えたあと、チームは自信を失いかけていたと北村は振り返る。「そこを1週間でしっかり修正できた部分はとても良かったです。自分たちがどこまでできるか、試合の中で楽しめるかという準備してきたことをしっかりと出せたことが本当に良かったです」と一歩踏み出すことができた。
北村自身はチームの核となり、トヨタ自動車戦はいずれも二桁得点を挙げ、勝利した初戦は19点のゲームハイを記録。今シーズンの目標は、「得点を獲るだけではなく、起点になること」を掲げ、「今日はやっと起点になれたかなと思います」と手応えを感じていた。
今シーズンの新キャプテンに任命されたときは、「自分ですかぁ〜?」と叫んだそうだ。「人を引っ張ることはあまり率先してするタイプではなかったのでビックリしました」と言いながらも、しっかりとその責務を全うしている。キャプテンシーがあるとは思えないと自負しているからこそ、「みんなで意見を出し合える環境になったのかなとも思っています。そこは自分の強みです」と明るい北村がまわりを巻き込みながら、チーム力を増していた。
翌日は、第3クォーターまで競っていたが最終クォーターで引き離され、59-78の結果で2連勝とはいかなかった。しかし、開幕戦に山梨クィーンビーズが昨シーズン6位の東京羽田ヴィッキーズを破ったのに続くアップセットである。昨シーズンのプレーオフ圏外の4チームが勝つことでWリーグはさらにおもしろくなる。
文・写真 泉誠一