追われる立場となり「負けられない…」
レギュラーシーズンは22試合しかない。「10月の4週は全て上位チームとの対戦であり、どう戦うか対策を練って分かっていたはずですが、やっぱり相手チームも研究してきますし、それに対して自分たちのバスケットを出せていません。相手どうこうではなく、自分たちができていない。なんとか抜けだしたいんですけど、なかなか難しいです」と川井は焦り、このままでは迷宮入りしてしまい兼ねない。
昨シーズン、ファイナルまで駆け上がった要因として勢いがあったことを川井は認めている。もう一度チャレンジャー精神を持って今シーズンに入ったはずだったが、「プレッシャーに感じているというのはないですが、どこか負けられない…」と追われる立場となったのもはじめての経験である。
川井自身は、今年はじめて日本代表に選出された。その経験を踏まえ、「これまでは攻めることを中心にプレーしていましたが、ゲームをコントロールしてチームオフェンスをしっかり作れるように今は意識しています」。富士通戦では町田瑠唯とマッチアップし、「勉強になることが多かったです」と話しており、全てを糧にしながらこの壁を乗り越えることできっと成長できる。
「下を向いている暇はありません。次はトヨタ戦で、相手は昨シーズンのリベンジというか、セミファイナルの借りを返しに来ると思います。私たちから先手を取っていかなければならないですし、強気で残る試合を戦っていきたいです」
三菱電機の最大の武器であるコミュニケーションは健在だ。スタッツも上回ることができており、勝利に対して紙一重の戦いをしている。昨シーズン到達できなかった頂点へ行くためにも、今が必要な時期だったと最後に笑えれば良い。
今週末、5位のトヨタ自動車と名古屋ダービー(名古屋市東スポーツセンター)が待っている。
文・写真 泉誠一