逃げ切った富士通レッドウェーブは2連勝なるか!?
ゲームハイとなる20点を挙げた渡嘉敷だが、「個人的には全く満足いってない」とフラストレーションを溜めていた。日本代表としてアジアカップで4連覇を達成し、帰国して3日しか経っていない状況ゆえに、疲労の方がさらに溜まっていたことだろう。開幕戦は宮澤夕貴とともに37分以上出場したことも、苦戦が強いられたことを物語っている。
「バスケ人生において、負けた試合の方が思い出は強い。同じチームには2回負けられない。昨シーズンも富士通には負けているが、明日は絶対に負けられない。本当に気持ちを出してやりたい」(渡嘉敷)
JX-ENEOSが、レギュラーシーズンで同一チームに2敗を喫したのは4年前の2015-16であり、その相手も富士通だった。第3クォーターは、女王を相手にたった5点に抑えている。富士通のBTテーブスヘッドコーチは、「昨年に比べてチームディフェンスを少し変化させ、積極的に仕掛けた。それがカギになった」と勝因を挙げる。逆に、第4クォーターはJX-ENEOSが怒濤の追い上げを見せる。「強い気持ちを持って決めてやろう、私が決める」と放った篠崎澪がラストシュートを決め、逃げ切った。
「第4クォーターで相手にペースを持って行かれたときに、これまでであればそこで踏ん張れずに逆転されてしまっていました。でも今日は、最後まで逆転を許さないで終われたことは私たちが成長したことの一つであり、しっかり継続していきたいです」(篠崎)
この1勝を自信とし、4年前と同じく勝ち越すことができるか。その4年前は同一チーム対戦が3試合あったが、22試合しかない今シーズンはこの2試合だけである。JX-ENEOSに白星を与えずに終われるか!? 本日15時より大田区総合体育館で第2戦、レギュラーシーズン最後の直接対決が待っている。
1リーグ制で初の開幕戦を制した山梨クィーンビーズ
開幕戦同様、JX-ENEOS vs 富士通戦とともに、大田区総合体育館では東京羽田ヴィッキーズvs山梨クィーンビーズ戦が本日12時より行われる。昨日は73-61で山梨QBが勝利した。1リーグ制となってから、山梨QBが開幕戦を勝利したのははじめてのことである。2011-12シーズンまで存在していた2部『W1リーグ』まで遡ると、2008-09シーズンにビッグブルー東京を破っており、実に11年ぶりの開幕戦勝利に沸いた。
本日より全チームが開幕戦を迎え、アジアチャンピオンであり、FIBAランキング10位に浮上した日本の女子バスケのワールドクラスの戦いがはじまった。同時に、来年1月19日(日)にアリーナ立川立飛で行われる「Wリーグ オールスター2019-20 in TOKYO」の出場選手を決めるファン投票もはじまっている。
文・写真 泉誠一