日本代表が見事4連覇を達成したFIBA女子アジアカップ2019では、大会MVPに輝いた東京羽田ヴィッキーズの本橋菜子選手。抜群の攻撃力を発揮した本橋選手のルーツについてのインタビューが2017-18シーズンのマッチデープログラムに掲載されていました。今回、特別にヴィッキーズさんに許可をいただき、こちらの記事をスピリッツで掲載する機会をいただけました。およそ2年前のインタビューとなりますが、これまでもあまり表に出ていない本橋選手のバスケットのルーツ。それは、しっかりと「今」に繋がっているものでした。
── バスケットを始めたのはいつですか?
小学1年生の冬です。私は3人姉妹の末っ子なんですが、2歳ずつ違う2人の姉がどちらもバスケットをやっていて、自分もあたりまえみたいにバスケットを始めました。親もバスケットをやっていたこともあり、いつもすごく応援してくれていましたし、なんて言うんでしょうか、もう全員揃ってバスケットファミリーというか、バスケット以外のスポーツをやるのは考えられないような環境で育ちました。
── バスケットは楽しかったですか?
もちろん楽しいと思うことはありましたが、正直、バスケットが好きで好きでたまらなかったわけではないですね。さっきも言ったように子どものころからバスケットが身近にあって、バスケットをやるのがあたりまえだったので楽しいかどうかなんてあまり考えたことはなかったです。中学でも続け、高校は明星学園に進みましたが、それもものすごい情熱を持って…というのとは違い、こんなこと言っていいのかわかりませんが、2人の姉が高校までバスケットを続けていたので、自分も高校まではやるもんだと何となく決めていたからです。中学も高校も厳しい指導の下、自分の持ち味である『スピードを生かしてドライブでアタックする』ことは意識して頑張っていたつもりですが、将来バスケットのプロ選手になるなんてことは全然、全く、1ミリも考えていませんでした。
── それでも早稲田大学に進学してバスケットを続けられたわけですが、その理由は?
自分がやりたいことを見つけるためにも大学に進学したいなとは思っていましたが、大学でもバスケットを続けようとは考えていなかったんですよ。ところが進路についての面談で担任の先生に「学業成績と(バスケットの)競技成績を照らし合わすと、早稲田大学に進学する選択もあるよ」と言われ、えっ、えっ、えぇ~!となったわけです(笑)。それまで早稲田に私なんかが行けるはずないと思っていたし、考えてもみたこともなかったので本当に驚きました。でも、それから親や顧問の先生と相談してあと4年、早稲田でバスケットを続けようと決めたんです。