── その経験から、ルーキーですがリーダーシップを取ることはありましたか?
コートに立ったら年齢も在籍年数も関係ないですし、自分がやらなければいけないという思いはありました。日立ハイテクには大学でキャプテンを任されていた選手が多く、自分の意見を言えるし、まとめる力も持っています。ルーキーながらもしっかりと先輩に伝えることができる選手も多いです。人任せにせず、一人ひとりがリーダーシップを取れるようになれば、本当に良いチームになれると思います。
── ひたちなか市でのホームゲームはいつも満員の盛り上がりに驚かされます。
あんなに多くの観客の中で試合をすることは初めてだったので、すごく感動しましたし、地元の皆さんに応援してもらっていることを感じました。声援でプレーコールが聞こえなかったのは初めての経験でした。みんなが声を出して応援してくれたことが力にはなったのですが、それを勝ちにつなげられず申し訳ない気持ちでいっぱいです。普段からスーパーに行っても、「日立ハイテクの選手ですよね」と声をかけられたりするので、どこにいても気を抜くことができません。そうやって見てくれている人がいるから、日立ハイテクの選手として気が引き締まります。他にも、小学生に対しては、バスケットボールを教えることで交流する機会があるのですが、プロの選手として憧れてもらえる存在になりたい。どこで声をかけられても良いような態度や生活を心がけています。
── 来シーズンへ向けてさらにステップアップするため、オフ中に取り組みたいことは?
この身長だとフォワードもできなければいけないと思うので、ドリブルハンドリングや走力はもっとつけないといけないです。基礎的な部分を徹底的にやり直して、将来的には3番ポジションでも使える選手になれるように走れる体とスキルを身につけていきたいです。
── 菅原さんらの世代は東京オリンピック出場が目標になりますが、その思いはありますか?
小さい頃からオリンピックに出ることが夢でした。家族が普通に行ける距離で行われる東京オリンピックには出たい気持ちはあります。その為にも今の女子日本代表に追いつけるように努力しなければならず、簡単なことではありません。少しでもチャンスが巡ってくるように、自分から努力してアピールしていきたいです。
── その近道が日立ハイテクを勝たせること。さらに今年はユニバーシアードもあるのでアピールできるチャンスでは?
高校の時にU-16日本代表に入っていましたが、「昔は良かったのに…」とは言われたくないので、もう一回がんばって、ユニバにも選ばれるようにしたいです。
日立ハイテククーガーズ #33 菅原絵理奈「人任せにせず、飛躍の来シーズンへ」番外編
文・写真 泉誠一