積極性が増したオフェンス!高確率で3Pシュートを決める188cm
開幕2試合を終えて平均14.5点、富士通レッドウェーブのトップスコアラーは、2年目を迎えた#16栗林未和選手である。今月行われたFIBA 3×3 U23ワールドカップで世界2位となった日本代表メンバーとしても活躍。「1on1ではかなり積極的になりました。嫌でも攻めなければいけないのが3×3です。以前よりゴールに向かっていく意識は強くなりました」と自信を持ってゴールを奪う。この2試合ですでに3本決めた(75%)3Pシュートだが、昨シーズンは1本も打っていない。新たな才能も開花しはじめている。
188cmの栗林選手は、JX-ENEOSサンフラワーズの渡嘉敷来夢選手(193cm)、新潟アルビレックスBBラビッツの馬雲選手(189cm)に次ぐ、3位タイ(梅沢カディシャ樹奈選手/JX-ENEOS、王新朝喜選手/三菱電機コアラーズも188cm)の高さを誇る。3×3だけではなく、5人制でも将来の女子日本代表として活躍が期待される逸材だ。
ルーキーシーズンを経たことで、落ち着いて新シーズンを迎えることができている。
「昨シーズンの開幕戦とは気持ちの持ち方が全然違います。Wリーグの要領が分かった分、視野が広がり、自分からやりたいことを表現したいという積極性は昨シーズンにはなかったことです。もっともっといろんなことを挑戦していきたいです」
オフェンスは及第点だが、ディフェンスは『全然ダメ』
昨シーズンはプレーオフを含む34試合中31試合を先発で起用された栗林選手。しかし、ヘッドコーチが代わったことで役割も変わり、「大事な場面で使ってもらえるように、チームの流れを変えられるような力強いプレーをしていきたいです」とベンチスタートを受け入れて臨んだ開幕戦。しかし、テーブスヘッドコーチがファーストオプションとして起用した#12篠原恵選手が、開始早々にケガをするアクシデントに見舞われる。翌日は先発を任され、早くも大事な場面での起用が回ってきた。
オフェンスに関して、BTテーブスヘッドコーチも及第点を与える。しかし、ディフェンスに話が及ぶと「全然ダメ」と首を横に振る。「戻りも遅いし、1on1のポストディフェンスはできていない。中途半端なディフェンスを無くさないといけない」と多くの課題点を指摘する。東京羽田ヴィッキーズとの2戦目は72-75で早くも黒星を喫し、その敗因として指揮官はディフェンスを挙げた。栗林選手だけのせいではないが、その課題について栗林選手も自覚している。
「3×3でもディフェンスはまだまだだと感じていました。5人制ではさらにローテーションなど難しい部分があり、今はまだ穴になっていると思っています」
テーブスヘッドコーチが目指すスタイルは、攻守にわたってスピードも重要視される。
「自分がもっともっと走らなければいけないし、もっともっと動けなければいけないです。まだまだ全然ヘッドコーチが求めることには応えられていません。もっともっと成長していかなければいけません」
新しいスタイルに順応し、チームの力になるためにも努力しなければならないことは、栗林選手自身が一番分かっている。
課題の向こうに見えているネクストレベル
多くの課題を突きつけられているのも、期待の現れである。それをクリアできれば、自ずと日本代表にだって近づけるはずだ。
「ヘッドコーチもそれを考えて言ってくれていると思っています。いろんな期待に応えられるようにがんばりたいです」
モチベーションと目標を高く持って、ステップアップが期待される今シーズン。ネクストレベルへ向かうロープはすでに垂らされている。「日本でトップレベルのセンターの先輩方に全力で向かっていきたいです」とライバルたちを踏み台にし、大きな壁を乗り越えて欲しい。
今週末(10月27日-28日)は川崎市とどろきアリーナにて、同じ188cmのセンター王選手や186cm西岡里紗選手を擁する三菱電機と対戦する。
文・写真 泉 誠一