2016年1月16日(土)、13年ぶりに復活したWJBLオールスターゲームが、シティホールプラザ アオーレ長岡で開催された。リオ五輪を決めた女子日本代表をはじめとする女子バスケのスターたちが長岡に集結。華麗なプレーで観衆を沸かせ、成功に終わったオールスターゲームについて、その運営に携わった新潟アルビレックスBBラビッツ統括の長崎俊也さんに話を聞いた。
──13年ぶりにオールスターが復活しましたが、そもそもの発端というのは、どういうことだったんでしょうか?
長崎(以下、N):もともとチーム(新潟アルビレックスBBラビッツ)を運営している中で、なぜ開催しないんだろうというのは、ずっと疑問に思っていたんです。私たちのチームがbjリーグのチームから派生して始まっているところで、bjリーグとしてはあたりまえに各チーム持ち回りでやっていますし、「なぜWJBLでは開催しないんだろう?」と。
ただ、ずっとリーグとして収益にならなかった時期がありましたし、リーグ自体の運営が興行主体ではなく、試合の開催が第一。ですので、リスクを負ってイベントを行うということに積極的ではないというのがあったのですが、各チームの部長が集まる部長会で、WJBLの西井(歳晴)専務理事から、「2020年の東京五輪に向けて、リーグとしても何かできないだろうか?」という話があり、それを受けて集客を目指した取り組みをしていくことになったのです。我々は新潟で、すでにそのような取り組みをしていましたので、“リーダーになっていただけないだろうか”という話をいただいたんです。
そこで、「何か大きなイベントをやりましょう」ということで、オールスターゲームの提案をさせていただいたのが発端ですね。だいたいそれが1年半くらい前のことになります。その頃は女子日本代表のリオ五輪出場も決まっていませんでした。
──アオーレ長岡(新潟県長岡市)での開催になった経緯はいかがでしょうか?
N:1月の開催という日程が大前提であったので、まず空いている会場を抑える必要がありました。その中で、アオーレ長岡の持っている長所が『ドア・トゥ・ドア』(新幹線の駅に直結しており雪の心配がない)や、宿泊・移動の問題が少ないこと。各チームから、「選手を試合当日に帰してほしい」という要請があったのですが、午後2時からの開催であれば、選手全員がその日のうちにチームに戻れるという利便性。それに加えて、レギュラーシーズンで試合を開催してきた実績があり、アウェーのチームだったトヨタ自動車さん、デンソーさん、日立ハイテクさんなどが「アオーレいいよね。アオーレであれば問題ないよ」というお墨付きをくださったことが後押しになりました。もちろん、長岡市がバスケの町として全面的に協力してくださるということも大きかったです。今回のオールスターでも、こちらから改めてお願いしなくても、スカイデッキをオレンジ色で染め上げてくださるなど、さまざまなサポートを進んでやってくださったんです。とても助けていただきました。
オールスターの開催が決まり、まずお話に行ったのがスポンサーのデンカさん、新潟のチームの代表、開催場所の長岡市さん、そして新潟で試合の演出をお願いしていた方の4名。前回開催(13年前)はあまり盛り上がらなかったという声があったのですが、当時はbjリーグもなく、バスケにエンターテイテインメントのフィルターをかけていない時代のことで無理もありません。新潟で試合に演出を加えてきたように、その方に演出をお願いできれば、他のWJBLチームのブースターさんが見たことのないようなバスケを見せられるのではないか、チケット代相当の満足度が保証できるのではないかと考えました。そして、この4人の保証と保険を確保して部長会に話を持っていきました。