C:イゾジェ ウチェ(シャンソン化粧品シャンソンⅤマジック #4)
渡嘉敷来夢、髙田真希を本家のレギュラーシーズンに取られ、長岡萌映子、馬瓜ステファニーまでプレーオフで持っていかれては、スピリッツ的ベスト5のフロントコート選考は難航してしまう。実は最後に決まったのがウチェだった。
アーリーエントリーとして2023年1月8日のアイシンウィングス戦にスタメン出場すると、いきなり23得点・18リバウンド・4ブロックショットで衝撃デビュー。それでもいつかは高校生らしく、Wリーグの壁に跳ね返されるだろうと思っていたら、最終戦となったプレーオフ・セミファイナルまで見事に走り切り、ブロック部門で2位(1試合平均1.86本)、リバウンド部門では1位に輝いている(同12.29本)。むろん、ところどころで得点やリバウンドが取れない試合もあったが、鵜沢潤ヘッドコーチ(当時はアシスタントコーチ)が途中でベンチスタートに変えるなど、うまくコンディショニングしながら、チームのベスト4進出に貢献した。
しかも、である。チームは、その内容の是非は別として、ゴタゴタの真っ最中。純粋な高校生として日本一を目指していたウチェからすれば、「え、大人の世界ってこういうものなの?」と思ったとしてもおかしくはない。そんななかでも自分を見失うことなく、コート上で自らのパフォーマンスを発揮し続けたことは、スピリッツ的ベスト5に該当する。
率直に言えば、身長の高さだけなく、その高い身体能力は認めていたが、アーリーエントリーでここまでの結果を出すとは、失礼ながら、思っていなかった。ただ、こうしておじさんたち ── もしかすると筆者だけかもしれないが、その想像を超える若者たちが出てくることは、それを見抜けないことに恥じ入りつつも、嬉しくなる。
白崎のパートでも書いたとおり、小池や𠮷田、佐藤ら実力者がいるチームに、白崎や鷹のはしらが加わり、攻撃力が格段に上がったと思われる。そこにウチェのような得点力のリバウンダーがいると、相手チームも手を付けられないゲームがあるかもしれない。
もちろん、そこはWリーグである。あの手この手でウチェやシャンソン化粧品の良さを消しにくるだろう。ウチェがこれからどこまで才能を伸ばしていくのか。チームをさらに上のステージに引き上げられるか。今後、彼女は本家のベスト5、あるいはリーダーズの常連になるかもしれないので、先にスピリッツ的ベスト5を送っておこう。