「いつか本家へ」の期待も込めて
当方、本家Wリーグのベスト5とは異なるメンバーを「ベスト5」として選ぶのが通例。2022-23シーズンの本家は、レギュラーシーズンが町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)、渡邉亜弥(三菱電機コアラーズ)、赤穂ひまわり(デンソーアイリス)、渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)、髙田真希(デンソーアイリス)。プレーオフは長岡萌映子、渡嘉敷来夢、宮崎早織(以上、ENEOSサンフラワーズ)、馬瓜ステファニー、山本麻衣(以上、トヨタ自動車アンテロープス)。
まぁ、順当な選出だよね。いや、あまりに順当すぎて、彼女たちを外して選ぶとしたら、誰がいるのよ、というところから、当方の選考会は始まる。推しのチーム、推しの選手がいるファンであれば、「いや、本家もそれじゃないだろう、〇〇選手でしょ」とすんなり決まるかもしれないが、今年の選考会は、この選考に関しては最後まで口を開かなかった元Bリーガーを含めて、おじさんばかり。たぶんいるであろう「推し」を推さずに、いたって生真面目に5人を挙げていった。ペリメーター陣はすぐに出てくるが、「う~ん……ビッグマン、誰がいる?」などと、質問にもならない独り言を重ねながら、最終的に決まったのが以下の5人である。ご賞味あれ。
PG:川井麻衣(トヨタ自動車アンテロープス #4)
2021-22シーズンに三菱電機コアラーズから移籍してきて、いきなりリーグ連覇に貢献したPGは2022-23シーズン、FIBAの殿堂入りを果たした大神雄子ヘッドコーチ体制になると、全26試合でスタメン出場。ヘッドコーチだけでなく、メンバー構成も、ベテランが現役を退いたり、移籍をしたり、長い夏休みを取ったりと大幅に若返るなか、チーム最年長として、また3人制のキャプテンとして、チームを引っ張った。
印象的には、キャプテンを共にする馬瓜ステファニー、山本麻衣がプレーの派手さ、インパクトも手伝って目立つのだが、川井はスティール部門でリーグナンバーワンに輝き(1試合平均2.46本)、アシストもリーグでこそ5位だが、チームではトップの5.31本。3ポイントシュートの成功率(40%)は梅木千夏に次ぐチーム2位、リーグ全体でも7位に入って、ポイントガードとしての役割を十分に果たした。玄人好みのポイントガードといっていい。結果としては落選してしまったが、シーズン終了後には、アジアカップに臨む日本代表候補にも選ばれるなど、着実にステップアップをしている。
次のシーズン、安間志織がヨーロッパから帰ってくることは同じポイントガードとして朗報だが、一方で馬瓜がチームを退団することになっていて、川井自身も試行錯誤をすることになるだろう。それをどう乗り切るか。
さらに、彼女が憧れて、同じコートネームのアノ人がアイシンウィングスで現役を復帰する。大谷翔平のように「憧れるのはやめましょう」と自身に言えるか。同じ高校出身のアノ人もディフェンスが上手だし、2人のスティール合戦見てみたい。