本家Wリーグの「ルーキー オブ ザ イヤー」は東藤なな子(トヨタ紡織)が圧倒的な得票で受賞した。その東藤に100票あまりの差をつけられ2位となったのが齋藤麻未である。「Spiritsは本家の2位をそのまま自分たちの新人王にしたのか?」と問われれば、さもありなん。しかしけっして選考に手を抜いたわけではない。本家3位の(!)梅木千夏(アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス)も論点になったし、高田静(JX-ENEOSサンフラワーズ)や若原愛美(山梨クィーンビーズ)の名前も挙がったが、やはり今シーズンのWリーグにおいてトヨタ紡織の奮闘は特別だった。
ビッグマンらしいビッグマンがいないなかでも、パッシングとカッティングをメインにしたファイブアウトで、デンソーアイリスやシャンソン化粧品シャンソンVマジック、三菱電機コアラーズに連勝、トヨタ自動車アンテロープス、富士通レッドウェーブにも1勝1敗とリーグ内の強豪と呼ばれるチームと互角の戦いを見せた。そのなかで最も異彩を放ったのが本家・新人王の東藤だったわけだが、その東藤とともに新人ながらチームの勝利に貢献した齋藤の働きもしっかりと称賛したい。
日本体育大学を卒業したばかりの新人がチームの司令塔となり、持ち前の得点力とフィジカルの強さでチームをリード。アシストはポジション柄チームトップであっても驚かないが、得点、リバウンドでもチーム3位。特にリバウンドは1位の東藤(100本)、2位の加藤優希(95本)に次ぐ90本をもぎ取っている。この活躍ぶりを表彰しない手はない。来シーズン、本家とSpiritsな新人王デュオのさらなる飛躍に乞うご期待!
文 三上太
写真 W LEAGUE