5月11日、東京・ららぽーと豊洲で開催されたJBA主催の3×3 JAPAN TOUR EXTREMEラウンド3において、女子カテゴリーは初出場のZOOS Tokyoが優勝に輝いた。一昨年に桂葵が創設したZOOSは、これが国内での初お目見え。今大会の登録選手でFIBA 3×3 WOMEN’S SERIESにも出場してきたのは桂1人だが、その桂が集めた3人はいずれも将来が期待される有望株。リーダーの桂が若い3人としっかりコミュニケーションを取り、チームはよくまとまって安定した戦いぶりを披露した。その3人とは日本体育大からアーリーエントリーでWリーグ・トヨタ自動車に進んだ小野寺佑奈と、桂の大学の後輩にあたる早稲田大4年生の江頭璃梨、そして昨シーズンからWリーグ・デンソーでプレーしている今野紀花だ。
高校3年生だった2018年、日本代表としてアジア競技大会に出場したのが、今野と3×3との出会いだった。そこで準優勝まで辿り着いたということもあり、それ以来、今野と3×3の縁はもう6年も続いている。
「そこ(アジア競技大会)から魅力を感じて、何回か代表合宿にも行きましたし、23歳以下のネイションズリーグにもポツポツ出させてもらいました。長谷川(誠、女子日本代表ヘッドコーチ)さんにはお世話になってますし、『確かにあの子3×3やってるね』って周りから思われてる感じはあるので、こういうのも誘われるのかなって」
自身が「アメリカに行ってたので、そんなに頻繁にはやってなかった」と言うように、聖和学園高からルイビル大に進んだ今野にとっては、このJAPAN TOURが久しぶりの3×3の試合だった。しかし、「やっぱり楽しかったですし、経験のある葵さんがいろいろ教えてくれて、先導してくれてやりやすかったです。試合というよりは大会に出ること自体が楽しすぎて、楽しむということを意識してたわけじゃないけど本当に楽しかった。それで優勝もできたので、今は最高の気分です」と改めて3×3でプレーすることに喜びを感じたということだ。
「3×3はやっぱりスピード感と、プレー一つひとつの精度が求められるところ、あとは判断力。次々に展開していくので、頭が働かないと上手くいかない。そこの戦いがすごく楽しいなって思います。4人でやるので、全員に責任がある。だから、自分が戦ってる、ゲームを作ってるという感覚もあるし、その分楽しい。5人制のときはどこかに徹する感じなんですけど、3×3は外のシュートも打つし、中でもプレーするし、ガードの動きもしながらっていう風に、いろんなポジションでプレーできるのが嬉しいですね」
そういった競技としての特性が今野を惹きつけていることは確かであり、サイズと器用さを兼ね備えたオールラウンドなプレースタイルの今野に向いている競技であることも間違いない。しかしながら、「自分はただただ楽しいっていうだけで3×3をやってます。こういう場があったら今後も続けたいです」と語る今野にとっては、バスケットと向き合う時間を少しでも長く持つことが最も大切なこと。バスケットが大好きという気持ちが根底にあるのだ。