そんな理由で下級生主体の新チームとなった明星大学。キャプテンは2年生の #29 村上旦憲が務め、先輩たちも「プロを目指しているのだから当然」と背中を押した。プロを夢見てギラギラする下級生たちのモチベーションを原動力に、チーム作りを行っている。一人でも多くプロになる夢をつかんでもらうために、柴山ヘッドコーチは最大限のサポートをする。一方で、実際にプロ選手へ進んだ選手を見てきたからこそ、「Bリーグは大学のスーパースターが集まる場所であり、2部の明星のようなチームから目指すためには、人の2倍努力しなければならない」と近道がないことを強調する。
「明星大学での4年間で自分のプレースタイルを大きく変えることができました」というのは、さいたまブロンコスでプレーする加藤嵩都だ。「1on1中心の明星大学ですが、それ以上にダメなときでもアタックし続けるとか、まっすぐゴールへ向かって行くとか、そういうメンタル面で教わったことが大きいです。英士さんのバスケットを通じて今があると思っています」と感謝し、B3リーグでも活躍できた。
B2昇格にあと一歩届かず、悔しい思いをしたはずの加藤だったが、最後は「楽しかった」と笑顔を見せた。その姿をみたとき、FEBを立ち上げるにあたり「ハーレム・グローブトロッターズ(※NBAよりも古い歴史を持ち、今なおバスケで世界を笑顔にするエキシビションチーム)みたいな存在になりたい」と話していたのを思い出す。加藤が活躍するB3リーグ会場ではFEBより一世代年下であり、当時は中学生くらいだったUMEの姿を発見。バスケで魅了するアニキたちに憧れる一人であり、同じような若者も少なくなかった。FEBをはじめとしたストリートボーラーたちの情熱が飛び火し、バスケに心酔させた功績は偉大である。
明星大学の指導者として後進を育てる柴山ヘッドコーチ。2020年大会に続く2度目のインカレ出場を目標に掲げ、そのためにも1部リーグへ昇格しなければならない。しかし今夏、2部リーグでも出場できるチャンスがある。昨年から新設された新人インカレは、6月からはじまる関東大学新人戦で上位に入れば全国への切符を手にすることができる。
「新人戦の組み合わせも決まり、中央大学に勝つことができれば、たぶん白鷗大学とまた対戦できる。そこしかリベンジするチャンスはないので狙っていきたい」
FAR EAST BALLERS / HOOP IN THE HOOD 20th
アラフォーボーラー4人が魅せた4on4でのラストゲーム
序章 https://bbspirits.com/other/hith23050802/
前編 https://bbspirits.com/other/hith23051103/
後編 https://bbspirits.com/other/hith23051604/
番外編 https://bbspirits.com/school/hith23052501/
文・写真 泉誠一