オフェンシブなタレントが揃う日本大学において、193cmの#8ジャワラ ジョゼフ選手が豪快なダンクを決めて勢いづけていく。3Pシュートを決めれば、その歓声はひときわ大きくなる。準決勝・専修大学戦までの3Pシュート成功率は5割(6/12本)と高確率だった。ラストゲームの3位決定戦・筑波大学戦は、4本放ったがこの日はネットを揺らすことができずに終わる。
「まだまだですね。もっと練習してきます」
昨年のインカレは3本打って1本も決まっていない。春に行われた関東大学選手権(トーナメント)でも、ベスト16以降の4試合は1/9本であり、「エアボールも多かった」。それでも打ち続けたことで上向き、インカレ3位へと躍進した日本大学の力となった。
ジャワラ選手の硬さをほぐした青木康平氏のシュートフォーム改革
「3×3の合宿に参加したとき、青木康平さんからシュートフォームについてアドバイスをいただきました。ビデオを撮って確認しながら的確に指摘していただき、その後のシューティングでもそこを意識しながら続けていました。3Pシュートが決まるようになったのは康平さんや3×3のおかげと言って間違いないです」
マリ人の父と日本人の母を持つジャワラ選手は今春、3×3日本代表候補に名を連ねた。そのときのサポートコーチが青木康平氏だった。東京アパッチやライジング福岡(現ライジングゼファーフクオカ)などで活躍し、bjリーグを代表した選手である。今は現役時代に立ち上げたWatch&Cアカデミーで指導したり、EXPLORERS KAGOSHIMA.EXEでもアドバイザーとして、子どもからプロ選手まで幅広く後進の育成に励んでいる。
ジャワラ選手の第一印象について、「動きが硬い」と青木氏は振り返る。「もちろん選手としては身体もしっかりしていて、運動量も多く、ポテンシャルは素晴らしかったです。ただアウトサイドシュートは砲丸投げのように、ボールが無回転でした」。マンツーマンで指導にあたり、ボールの飛ばし方からシュートフォーム改革をはじめる。ジャワラ選手自身も積極的に取り組んだことで、たった3日間ながらすぐさま成果が現れはじめた。あれから8ヶ月、福岡にいる青木氏もインカレでの活躍をしっかり映像で見ていた。
「嬉しかったですね!日大には3×3日本代表でもある松脇(圭志)と(杉本)天昇という良いシューターがいる中で、ジャワ(ラ)が3Pシュートで目立ってくると面白い。僕はきっかけに過ぎないし、この結果は本人の努力です。またジャワと一緒に練習したいですね」
城間修平ヘッドコーチが3Pシュートを打つよう指示をしたことはない。だが、「フリーになったら思いっきりシュートに行くようには言ってます。あのサイズでシュートを打てるのは良いことです」と挑戦する姿を後押ししていた。